らぴゅたった

解像度が低いエコー機械でも…

心エコー。左室流入速波形。パルスドプラ法。E/A。E波とA波。L波とは??

左室流入速波形 E/A

 

🍀心エコーしてる人なら誰でも計測するであろうこの波形(⌯¤̴̶̷̀ω¤̴̶̷́)✧いよいよここまで来ましたね!では勉強会へ🍀🍀

 

 

10月13日(水)21時~

左室流入速波形(left ventricular inflow velocity pattern:LVIF)

 

拡張期に開放した僧房弁の先端にサンプルボリュームを置き、

E波(拡張早期波)とA波(心房収縮期波)を得ることで

左室の拡張能を評価する重要な指標を得ることができます。

 

 

【パルスドプラ法は特定の部位の血流速度を知りたい際に使用】

‡ ➝ サンプルボリューム内を通過する血流の速度を測定することができる。

①機械にあるPWのボタンをおす。

②〓 サンプルボリュームの幅を4~5㎜に設定し、拡張期に開放した僧房弁の先端レベルに置く。

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左室流入速波形




心電図のT波の後に出る上向きの波形がE波で、左室が血液を取り込む波形を反映し(拡張早期)

 

心電図のP波の時に出る上向きの波形がA波となり、左房が血液を押し出す時の波形となります(心房収縮期)

 

サンプルボリュームの位置が適切な位置より左室側にあるとE波が高くなり、

左房側にあるとA波が高くなり計測値に誤差が出てきます。

角度は測定したい血流に対して平行になるようにする。斜めになると過小評価となります。

 

波形にノイズや毛羽立ちがないように注意。ゲインの調整やサンプルボリュームを適切な場所に移動するなど工夫する。

 

5chamber viewになってるとAo側の流速も拾ってしまうので注意。

 

【指標を用いることができるか】

・洞調律◎

・心房細動、心房粗動などの不整脈×

・左房機能が低下している×

・僧房弁弁膜症がない◎

・僧房弁の高度石灰化、狭窄×

・高度の僧房弁逆流×

 

 

 

 

 

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左室流入速波形

OK

 




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OK

 

 


f:id:Rapyutatta:20211011154339j:image

OK

 

 


f:id:Rapyutatta:20211011154352j:image

OK

波形のほうのゲインをもう少し上げるとよい

 


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OK

 


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OK

 

 


f:id:Rapyutatta:20211011205657j:image

波形にノイズがある

毛羽立ちは測定しないように

サンプルボリュームが弁から離れているので、もう少し弁に近づける。

血流方向とドプラビームに角度がついてるので、流入波形のドプラ血流と平行になるようにする。

 

 

🍀先生からの補足🍀

E/Aが1以上ならば弛緩障害は無いかor中等度以上の弛緩障害があります。

他の手法で弛緩障害がありそうならば、バルサルバ負荷を掛けながら、E/Aを記録する。A波とE波の関係が変わらなければ弛緩障害はない。E波よりA波が高くなるようならば、中等度以上の弛緩障害を示唆します。

Mモードでの左室後壁の動きが収縮時のようにゆっくりならば、Dctが長くなります。正常値は本によって違いますが、大体160〜230msです。コンプライアンスの低下が疑われます。更にA波の幅は140ms以下。長いようならば、左房負荷が伺えます。左房圧は左室拡張末期圧と一致します。

拡張能は弛緩障害が最大。左房圧(左室拡張末期圧)。コンプライアンスの低下で評価します。

 

 

🍀画像の提出ありがとうございました🍀

次回は10月27日(水)21時~ です。

組織ドプラE/e´ と TRの計測の写真をお願いします(•ᵕᴗᵕ•)

 

※追記

左室流入速波形E/Aで どちらがE波でどちらがA波か迷うときは。。。

心房細動のときにE波しか確認できないときと

E波とA波の間にL波がみえるとき

等が考えられます。

通常は拡張早期のE波、心房収縮期のA波の二峰性ですが、拡張中期にL波を認めることがあります。

正常な人でも徐脈のときに低速度のL波を認めることがありますが、病的なものとして

速度が20㎝/s以上のものは、左室拡張能の遅延や左室充満圧の上昇を意味すると言われています。

 

L-wave

Triphasic mitral inflow

Middiastolic flow

などと言われます。

 

左房の充満圧が上昇していなくても、病的に減少した左室の能動的拡張能が左室の増加したstiffnessとともに拡張期の左房-左室圧較差の振動を起こす。これがL波となって拡張停止中に左房から左室への血流として感知されるそうです。

病的なL波は能動的拡張が遅延し、左室のstiffnessが増加した患者でみられ、臨床的な心不全・収縮能正常な左室肥大・左室収縮能不全患者でみられるそうです。左室前負荷の上昇を示唆するということになります。

 

 

 

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左室流入速波形



 

 

勉強会で使用していた教科書はこちら⇩

心臓超音波テキスト 第3版

 

 

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腹部エコー。肝臓の低エコー腫瘤。肝血管腫のエコー像。

今回は6年ほど前から肝血管腫をフォローしてる方の画像になります。

やや粗い背景肝に低エコーの腫瘤を認めます。

 

前回の検査までは周囲に高エコー帯を認めてましたが、今回は周囲の高エコー帯がやや不明瞭でした。⇩

youtu.be

 

周囲には嚢胞が数ケ見られます。

造影CTでは分葉状の腫瘤なのですが、エコーではあまり分葉状には見えませんね💦

血管腫はスポンジのように柔らかいといわれるので、形が変わりやすいのか ただ描出できていないだけなのか。。。でも毎回、エコーではこんな形で見えます。

S8に約3㎝の大きさとの事。

血管腫のフォローで検査依頼なので血管腫なんでしょうが、何も情報がない状態でこの画像に出会ったら、「血管腫の所見です!」なんて書けないなぁと感じた症例でした。

 

 

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肝の低エコー腫瘤

 

動画をみていただきました🍀

まず、場所。。

S8でいいですか??

右肝静脈基部のわずかに頭側っぽいのでS8でいいのでは?

肝区域に自信ないので区域はっきり書ける人、尊敬します🍀👀✨

鑑別として

・肝内胆管癌

(腫瘤の境界部に高輝度な縁取りがありそう&膨張性に発育してなさそう&何となくブルズアイなきがする➡グリソン鞘内の腫瘍??)

・複雑嚢胞

・転移性肝腫瘍

などがあがってきました。

血管腫ということで➡拡大での微細な嚢胞様構造は血管だったのでしょう

 

【グリソン鞘(しょう)】

肝臓の形態を維持する支持組織(結合組織)肝小葉を物理的に支持する。

小葉間静脈、小葉間動脈、小葉間胆管、リンパ管、末梢神経などを束ねる結合織。

 

グリソン鞘と肝小葉との境界は限界板とよばれ正常肝では明瞭ですが、種々の肝障害ではグリソン鞘を中心とした炎症が起こり、隣接した小葉内の結合織が線維化し小葉との境界が不明瞭になってしまいます。

線維化したグリソン鞘により輝点が協調され内部エコーが粗く見え、大小不揃いな小葉のため不均一なスペックルパターンに見えてくるそうです。

 

実質エコー粗造・粗糙・粗雑。。。。。

施設によって書き方が若干違ってきますが、装置の設定や検者の主観で評価が変わってきます。

この画像では肝静脈の走行がスムーズなので粗くないのでは?

血管壁の薄い肝静脈は、肝臓実質の線維化により影響を受けやすいので、肝静脈の走行がスムーズではない場合、確実に粗糙化があると判断できるんですね📝

 

 

 

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心エコーMモード。左室計測レベル。

経胸壁心エコー

Mモード左室計測レベル

 

9月29日(水)21時~

 

・きるべきMモードのラインは弁尖が入らない乳頭筋レベルより心基部寄り

心室中隔と後壁の収縮のタイミングは一致しているか

・壁は収縮時に厚くなっているか

・心嚢液の貯留はないか

 

綺麗な長軸像を描出し、そこからプローブをやや左に傾け 外側へ向けると

中隔と後壁に垂直にMモードのラインを入れることができます。

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左室Mモード

収縮末期に中隔は2段階に収縮し(①と②)、通常①の方が大きな収縮になります。

(左室と右室の収縮時相がややずれているため)

左脚ブロックやMモードのビームが斜め入射の時など②の収縮の方が大きくなります。

後壁は収縮時にゆっくり収縮し、拡張時にすばやく拡張していて コンプライアンスの低下は見られない。(収縮の山が対称になっていればコンプライアンスの低下が考えられる)

 

 

 

 

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左室Mモード

Mモードのラインが、やや中隔と後壁に垂直に入っていないので

もう少しプローブを左へ傾ける。

右室の壁と中隔の壁の鑑別がしやすいようにSTCを調節する。

 

 

 


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Mモードのビームは少し斜めに入っているので胸骨から離す。

後壁のゲインが高く白いので、STCで中隔と同じ明るさになるように調整する。

 

 


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Mモードは垂直に入っている*OK

後壁のゲインが高いのでSTCで調整する。

 

 


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Mモードは垂直に入っている*OK

後壁と外膜の区別がつけにくいのでSTCで調節してゲインを少し下げる。

 


f:id:Rapyutatta:20210927195021j:image

プローブを少し左に倒して、もう少しMモードのラインを心基部側へ。

後壁のゲインを調整し中隔の明るさにあわせる。

 

 

 


f:id:Rapyutatta:20210927195030j:image

OK

 

 


f:id:Rapyutatta:20210928113053j:image

 

OK

Mモードのスイープスピードをはやめると正確さが増す。

 

 

次回は左室流入血流速波形でE波とA波です🍀

10月13日(水)21時~

よろしくお願いします(•ᵕᴗᵕ•)

 

 

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心臓超音波テキスト 第3版

 

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腹腔内膿瘍。右下腹部膿瘍。心窩部痛。右下腹部痛。発熱。虫垂炎。

朝夕だいぶ涼しくなりました。

彼岸花が例年より少し早めに咲いてる気がしてます。気のせいかもですが💦

彼岸花は別名、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、学名リコリスというそうです。カワ(・∀・)イイ!!

中国大陸が原産とのこと。球根に毒があるそうなので食べる時に注意ですw

白い彼岸花は九州に多いそうです。


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さて今回は虫垂炎と周囲膿瘍の画像です。

 

 

 

約1週間前から心窩部痛あり。

3日前より、右下腹部痛、発熱あり来院。

虫垂炎疑いでエコー検査依頼。

 

 

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膿瘍

右下腹部に膿瘍が見られました。

膿瘍周囲には浮腫した回腸が見られます。

膿瘍といえばドロドロしてるのを想像しますが、今回は包まれたように丸いイメージでした。

 

 

youtu.be

 

虫垂の起始部ではやや盲腸側に陥入してるように見えました。

盲腸も浮腫が強く腫大してる印象でしたが、どれくらいの大きさから腫大と表現するんでしょうか?。。。

 

虫垂の起始部はこんな感じのイメージです⇩

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盲腸~虫垂

 

虫垂の先端を探していると、途中で壁が穿孔し膿瘍と連続しています。

 

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虫垂穿孔部



CTでは盲腸壁の肥厚があり、虫垂起始部に腫瘤が疑われました。

病理では虫垂根部の粘膜~盲腸粘膜に高度の細胞異型・構造異型を伴う管状腺腫がみられます。と記載されてました。

 

虫垂炎と連続する膿瘍ばかり気になっていて、盲腸側の観察ができてなかったと反省した症例でした。

 

 

 

 

【腹腔内膿瘍】

膿瘍は蜂窩織炎の領域、または白血球が集積する組織障害で発生し、膿汁または周囲細胞の壊死による進行性の組織剥離により拡大。血管新生の盛んな結合組織によって、壊死細胞・白血球・残屑(ざんせつ)の周囲に隔壁が形成され それ以上の拡大が阻止されることもある。

 

手術後

外傷後

腹腔内の感染・腫れ

胆嚢炎・虫垂炎・憩室炎・膵炎・消化管穿孔などの臓器の炎症

がん・潰瘍などでの損傷で腸穿孔

 

などに続いて形成される。

 

術後の膿瘍は手術後2~3週間 または数カ月後まで出現しない場合があるそうです。

 

治癒には排膿を要するのが通常で、排膿なしでの抗菌薬は無効に終わるそうです。

自然に破裂して排膿したり、慢性的な排膿を伴う瘻孔を形成したり、排膿しない場合 膿のタンパク質分解により液体が生じ血流中に吸収されることで膿瘍が徐々に消失することもあり、吸収が不完全に終わると線維性の隔壁内に嚢胞性の小胞が残存して石灰化することがあるそうです。

 

今回も被包化されてたんですね。

 

〓 症状 〓

発熱・腹痛・圧痛・吐き気・食欲不振

 

横隔膜下膿瘍:腹腔内に細菌を含んだ液体が流れ出し(虫垂の破裂など)腹部臓器の圧力で上に押されたり、呼吸時の横隔膜の上下動で吸い上げられたりして形成。乾いた咳・呼吸時の痛み・胸痛・片方の肩の痛み(関連痛:肩と横隔膜が同じ神経を共有しているため)などの症状。

 

骨盤内膿瘍:腸の疾患・婦人科の感染症を原因として生じる。腹痛・下痢・膀胱刺激による尿意や頻尿。

 

後腹膜膿瘍:腸の疾患、膵炎。腰痛

 

膵の膿瘍:急性膵炎の発作後。膵炎が回復して1週間以上経過した後に発熱・腹痛・吐き気・嘔吐などの症状

 

肝膿瘍:細菌性(胆嚢炎、外傷、腹部感染症など)

アメーバ(腸に感染したアメーバが血管を通って肝臓へ)

食欲不振・吐き気・発熱

 

 

 

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心エコーMモード。僧帽弁レベル。

経胸壁心エコー

Mモード僧帽弁レベル。

 

9月15日(水)21時~

 

・AMLとPMLの両方の弁尖の断面を捉えているか?可動性は良好か?

PML(僧帽弁後尖)の弁尖を捉えるのが難しい。。。

 

・弁に震えはないか?

fluttering(フラッタリング):大動脈弁逆流血が僧帽弁前尖(AML)に当たって振動する。

afの時にも緩やかにふるえる。

腱索断裂時。

 

・EPSSは5㎜あるか?

5㎜未満の場合、流出路が狭い。

ボリューム不足や非対称性中隔肥大

 

・SAM、B-B´stepはないか?

SAM(systolic anterior movement):僧帽弁前尖の収縮期前方運動。

収縮期にAML(僧帽弁前尖)が心室中隔側へ動く現象。

左室流出路狭窄例に多く観察される。

非対称性中隔肥大(ASH)・肥大型閉塞性心筋症(HOCM)・S字中隔

 

B-B´step

僧帽弁閉鎖の前にでるノッチ。

僧帽弁MモードのA-C間(A派の下行脚)に生じる棚で、左室拡張障害に伴い出現。

左室拡張末期圧の上昇を意味する。

Ⅰ度房室ブロックや徐脈時にも見られる。

 

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B-Bstep SAM

 

 

・AMLとPMLの接合はずれてないか?

僧帽弁の逸脱

(逸脱部位診断には多断面からの観察が必要)

 

 

🍀先生からの補足🍀腱索

部分断裂
Torn chordeaeにはMモードにしたら
IIIIIIIというようなストライプが出る事がある。harmonic striped patternと言い部分断裂の証拠です。ただ最近の機器は性能が良くなり、出にくくなった。palseの発振スピードより、切れた腱索の震えるスピードが早いとこうなる。

全断裂ruptured chorder tendineaeに近いと弁がLAに入り込むようになる。

🍀ありがとうございました🙌🏻💕🍀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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僧帽弁レベルMモード

 

 


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PMLの弁尖にMモードの線が当たってないので やや左側へ。

もう一肋間上からの描出を試してみると、Aoと左室の角度が付かず綺麗な長軸になる。

EPSSが5㎜無いのは斜めに入っているから。

 

 

 


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Mモードの線が弁腹を通ってる。

 

 


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ゲインが高くPMLと左室後壁がMモードで判別できない

 

 


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AMLは弁尖をとらえてるのでOK

PMLは弁腹をとらえてるので少しプローブを左に傾ける

肋間の高さはOK

 


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PMLの弁尖がとらえられてないので、やや胸骨に寄ってガイドを少し左へ

Mモードのゲインが高いので左室後壁とPMLの区別がわかりにくい

長軸のAoが見えてない

 

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BモードでAo・LAがよく見えていない

 

 

画像の提出ありがとうございました(•ᵕᴗᵕ•)

次回は9月29日(水)21時~

左室のMモードです。‪ついにEF( 'ω' و(و "フリフリ‬

 

 

 

9月24日(金)21時~は心エコー超音波テキスト3版を先生と一緒に朗読です。

一人で読むと難しいと感じる人。読むのを途中で断念する人etcなどこの機会に一緒にいかかですか(*´∀`*)??

 

勉強会で使用している教科書はこちら⇩

心臓超音波テキスト 第3版

 

[http://心臓超音波テキスト 第3版]

 

 

 

 

【Bモードでみる僧帽弁】

・弁の開放制限はないか?

・EPSSは保たれているか?

・AMLのdomingはないか?

・弁の逸脱はないか?

・弁の器質的な変化はないか?(石灰化や浮腫等)

・弁に付着する疣贅はないか?

・逆流は?その方向は??

 

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腹部エコー。心窩部縦走査。肝の腫瘤性病変。膵臓の腫瘤性病変。

腹部エコー。

私の施設で最初に撮影する画像は心窩部縦走査での肝左葉。

皆さんの施設ではスタートはどの断面ですか??

 

 

 

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心窩部縦走査

沢山の情報を得ることのできる一枚ですよね。

エコー習い始めたころは、この一枚を撮るのにも必死で臓器の中まで目が向かなかったり、周囲の情報を見逃したりしていました。

 

 

 

 

今回はエコー習いたての方が見落としていた症例になります。

 

新患。心窩部痛でエコー検査依頼。高齢の方です。

心窩部縦走査での一枚はこの画像を残してくれてました⇩

左側の画像になります。

 

 

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肝臓の表面がやや突出しています。

検査している本人は気が付いてませんでした。

 

確認時の動画になります⇩

肝左葉に低エコーの腫瘤が2つ確認できます。

肝細胞癌??転移性肝腫瘍??はたまた違う腫瘤??

 

 

youtu.be

 

全体の動画になります⇩

 

youtu.be

 

膵臓に腫瘤が見られ、肝に多数の腫瘤が見られました。動画では肝左葉だけですが右葉内にも数ケ認められ、転移性の肝腫瘍をすぐ考えてしまいましたが。。。肝左葉の辺縁にある腫瘍は突出しています。これを最初に発見してると、肝細胞癌を考えたと思います。

造影CTでこの肝左葉の腫瘤について見てもらいましたが、動脈相での染まりは腫瘤の被膜のみで腫瘤は造影されていないため転移性との事でした。一緒に見ましたが、普通に黒かったですw

 

最初に検査した人は膵臓も何かいつも見る感じとは違うと思ったそうですが、腫瘤とは思わなかったそうです。全体がゴツゴツしててわかりにくかったみたいです。

 

検査の最初の一枚にもどります⇩

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ここに写ってたのが膵臓です。一枚の画像で2つの所見を得ていましたが、写真を撮ることに気を取られ情報を逃してしまっていました。

膵癌と肝転移になります。

 

綺麗な画像を残すことは大切です。そしてその画像を残しつつ、見えている臓器や周辺の組織にも目をむけ評価していくことがさらに大切になってきます。「あれ?いつもと違うなぁ」と感じた時はその部位をじっくり色んな設定で見ていくと だんだん見えてくるものがあると思います。

 

心窩部縦走査には、肝左葉・膵臓・胃・大動脈・下大静脈・上腸間膜動脈…などなど

沢山の情報が埋まってます。ぜひ発掘していってください。

 

 

 

 

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心エコーMモード。大動脈弁レベル。

経胸壁心エコー

Mモード大動脈弁レベル

 

9月1日(水)21時~

 

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Mモード大動脈弁レベル



・大動脈弁基部を切る線で記録する

弁輪部にMモードのビームを合わせると、収縮期に右にずれてしまうのでややバルサルバ側に合わせる。

・腔に対して断面は垂直に入っているか?

・右室と大動脈と左房の大きさの関係は1:1:1

・大動脈弁の解放時に平行四辺形の線として描かれているか?box formation

・大動脈弁の開放径は1㎝以上あるか?1㎝未満だと弁の開放に障害がある。

 

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Mモード大動脈弁レベル

Mモードの線が大動脈や左房の垂直に入ってないので少しプローブを右に倒す。

一肋間上からの描出を試してみる。

 

Mモードの大動脈前壁と大動脈後壁の動きが平行ではない

 

 

 

 

 

 

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右室と左房がやや大きく見える。

右心系が大きく見えるときは、若い人・甲状腺機能更新・妊娠・先天性心疾患etc

下大静脈の拡張がないか、呼吸性変動があるか確認する。

TRがどれくらいか確認する。

 

 

 

 

 


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Bモードが綺麗に描出されている。

Mモードのラインがやや斜めなので、プローブを少し胸骨に近づけてみる。

 

 

 

 


f:id:Rapyutatta:20210827164442j:image

大動脈前壁と後壁が平行になっていない。

大動脈と左室に角度があるため、もう一肋間上から描出してみる

 

 

 


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Bモードで左房が描出できてないので、Mモードの計測で左房径が小さくなる。

 

 

 


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AOとLAにMモードのラインが垂直に入っていない。

 

 

 

質問🙋‍♀️大動脈前壁と後壁が平行になってないのは、斜めにビームが入ってるからですか?

🍀🍀先生からの補足🍀🍀

やはり、ビームが斜めに入ってると平行には表示されない。

Aoはあまり正確に測れなくても問題はない。ただ、マルファンのようにバルサルバに瘤を作るとかの場合は。弁輪部、バルサルバ、STJの直径が書かれていると説得力が増す。

LAは幅が40までが正常ですが、幅が増す場合と縦に長くなり拡大する場合があります。Mモードではその違いが分からない。Bモードの4ch viewで観た時LAが大きく感じた場合は、容積を測る必要があります。

 

MRがII°以上あって、LAが40㎜以下の場合は是非容積を測るべし。測った数字に騙されて、正常と書くような事が無い様に。LAが42㎜以上あって、afで無い場合も測るべし。実際大きくは無いのかもですよ。

afでもないのに、LV in flowで、A波が無いなんて時も、LA圧上昇があっても右心系の拡大や、LA拡大があります。普通にMモードだけでLAの大きさを判断するのは危ない。

勿論、容積も3回測って平均しなきゃ
勇気ある報告になるとは思いませんか?

綺麗に記録されたMモードは動きについても多大な情報を提供し得る。

必須なのは、速さではなく正確さだ。

LAが大きいと、4ch viewは卵のようではない。坐りのよいオブジェのようです。

心エコーは数字で報告書を書くので、計測が1番大切なような気がする人は多い。

しかし、BモードとMモードで見た絵をどう感じるかが1番大切だと思っています。

自分の印象が計測してみてピッタリくるかどうかが大切で、何故ここが広くなったか?

とか何故ここの血流が早いのか?を色々計測して解き明かす。

それを胸写や心音でも確認し得る場合も少なくない。

BとMは大切なんです。

 

🍀🍀🍀ありがとうございました🍀🍀🍀

 

 

【大動脈弁輪拡張症】AAE

上行大動脈の拡大により大動脈弁輪が拡張し、大動脈閉鎖不全を起こしている状態です。

先天的に動脈壁が弱く拡張傾向にあるマルファン症候群の場合に見られることが多いが独立して見られることもある。

・大動脈閉鎖不全による心不全

・拡張しているほど破裂のリスクは高く、55㎜を超える場合は手術を考える。

 

【マルファン症候群】指定難病167

常染色体優勢遺伝疾患で結合組織などに障害があるため、全身のあらゆる臓器・系統に障害が現れる疾患です。主に心臓・血管・骨格(四肢が長くなり漏斗胸や側弯症を起こす)・眼(水晶体のずれ)・肺(気胸)・皮膚などに影響が生じます。

大動脈の壁は、内膜・中膜・外膜の三枚の膜でできていて、マルファン症候群では中膜の結合組織が弱くなるそうです(中膜壊死)

心臓の大動脈弁の周りは少し膨らんでいて(バルサルバ洞)そのすぐ上から左右の冠動脈が分枝しています。この大動脈基部がマルファン症候群の方では拡張することが多く、拡張すると大動脈弁の周りが拡大して(AAE)大動脈弁が閉鎖不全となります。また破裂や解離を起こしやすく注意が必要です。

 

 

 

 

 

次回は9月15日(水)

Mモード僧房弁レベルです。

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