今回は6年ほど前から肝血管腫をフォローしてる方の画像になります。
やや粗い背景肝に低エコーの腫瘤を認めます。
前回の検査までは周囲に高エコー帯を認めてましたが、今回は周囲の高エコー帯がやや不明瞭でした。⇩
周囲には嚢胞が数ケ見られます。
造影CTでは分葉状の腫瘤なのですが、エコーではあまり分葉状には見えませんね💦
血管腫はスポンジのように柔らかいといわれるので、形が変わりやすいのか ただ描出できていないだけなのか。。。でも毎回、エコーではこんな形で見えます。
S8に約3㎝の大きさとの事。
血管腫のフォローで検査依頼なので血管腫なんでしょうが、何も情報がない状態でこの画像に出会ったら、「血管腫の所見です!」なんて書けないなぁと感じた症例でした。
動画をみていただきました🍀
まず、場所。。
S8でいいですか??
右肝静脈基部のわずかに頭側っぽいのでS8でいいのでは?
肝区域に自信ないので区域はっきり書ける人、尊敬します🍀👀✨
鑑別として
・肝内胆管癌
(腫瘤の境界部に高輝度な縁取りがありそう&膨張性に発育してなさそう&何となくブルズアイなきがする➡グリソン鞘内の腫瘍??)
・複雑嚢胞
・転移性肝腫瘍
などがあがってきました。
血管腫ということで➡拡大での微細な嚢胞様構造は血管だったのでしょう
【グリソン鞘(しょう)】
肝臓の形態を維持する支持組織(結合組織)肝小葉を物理的に支持する。
小葉間静脈、小葉間動脈、小葉間胆管、リンパ管、末梢神経などを束ねる結合織。
グリソン鞘と肝小葉との境界は限界板とよばれ正常肝では明瞭ですが、種々の肝障害ではグリソン鞘を中心とした炎症が起こり、隣接した小葉内の結合織が線維化し小葉との境界が不明瞭になってしまいます。
線維化したグリソン鞘により輝点が協調され内部エコーが粗く見え、大小不揃いな小葉のため不均一なスペックルパターンに見えてくるそうです。
実質エコー粗造・粗糙・粗雑。。。。。
施設によって書き方が若干違ってきますが、装置の設定や検者の主観で評価が変わってきます。
この画像では肝静脈の走行がスムーズなので粗くないのでは?
血管壁の薄い肝静脈は、肝臓実質の線維化により影響を受けやすいので、肝静脈の走行がスムーズではない場合、確実に粗糙化があると判断できるんですね📝
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