朝夕だいぶ涼しくなりました。
彼岸花が例年より少し早めに咲いてる気がしてます。気のせいかもですが💦
彼岸花は別名、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、学名リコリスというそうです。カワ(・∀・)イイ!!
中国大陸が原産とのこと。球根に毒があるそうなので食べる時に注意ですw
白い彼岸花は九州に多いそうです。
さて今回は虫垂炎と周囲膿瘍の画像です。
約1週間前から心窩部痛あり。
3日前より、右下腹部痛、発熱あり来院。
虫垂炎疑いでエコー検査依頼。
右下腹部に膿瘍が見られました。
膿瘍周囲には浮腫した回腸が見られます。
膿瘍といえばドロドロしてるのを想像しますが、今回は包まれたように丸いイメージでした。
虫垂の起始部ではやや盲腸側に陥入してるように見えました。
盲腸も浮腫が強く腫大してる印象でしたが、どれくらいの大きさから腫大と表現するんでしょうか?。。。
虫垂の起始部はこんな感じのイメージです⇩
虫垂の先端を探していると、途中で壁が穿孔し膿瘍と連続しています。
CTでは盲腸壁の肥厚があり、虫垂起始部に腫瘤が疑われました。
病理では虫垂根部の粘膜~盲腸粘膜に高度の細胞異型・構造異型を伴う管状腺腫がみられます。と記載されてました。
虫垂炎と連続する膿瘍ばかり気になっていて、盲腸側の観察ができてなかったと反省した症例でした。
【腹腔内膿瘍】
膿瘍は蜂窩織炎の領域、または白血球が集積する組織障害で発生し、膿汁または周囲細胞の壊死による進行性の組織剥離により拡大。血管新生の盛んな結合組織によって、壊死細胞・白血球・残屑(ざんせつ)の周囲に隔壁が形成され それ以上の拡大が阻止されることもある。
手術後
外傷後
腹腔内の感染・腫れ
胆嚢炎・虫垂炎・憩室炎・膵炎・消化管穿孔などの臓器の炎症
がん・潰瘍などでの損傷で腸穿孔
などに続いて形成される。
術後の膿瘍は手術後2~3週間 または数カ月後まで出現しない場合があるそうです。
治癒には排膿を要するのが通常で、排膿なしでの抗菌薬は無効に終わるそうです。
自然に破裂して排膿したり、慢性的な排膿を伴う瘻孔を形成したり、排膿しない場合 膿のタンパク質分解により液体が生じ血流中に吸収されることで膿瘍が徐々に消失することもあり、吸収が不完全に終わると線維性の隔壁内に嚢胞性の小胞が残存して石灰化することがあるそうです。
今回も被包化されてたんですね。
〓 症状 〓
発熱・腹痛・圧痛・吐き気・食欲不振
横隔膜下膿瘍:腹腔内に細菌を含んだ液体が流れ出し(虫垂の破裂など)腹部臓器の圧力で上に押されたり、呼吸時の横隔膜の上下動で吸い上げられたりして形成。乾いた咳・呼吸時の痛み・胸痛・片方の肩の痛み(関連痛:肩と横隔膜が同じ神経を共有しているため)などの症状。
骨盤内膿瘍:腸の疾患・婦人科の感染症を原因として生じる。腹痛・下痢・膀胱刺激による尿意や頻尿。
後腹膜膿瘍:腸の疾患、膵炎。腰痛
膵の膿瘍:急性膵炎の発作後。膵炎が回復して1週間以上経過した後に発熱・腹痛・吐き気・嘔吐などの症状
肝膿瘍:細菌性(胆嚢炎、外傷、腹部感染症など)
アメーバ(腸に感染したアメーバが血管を通って肝臓へ)
食欲不振・吐き気・発熱