らぴゅたった

解像度が低いエコー機械でも…

腹部エコー。心窩部縦走査。肝の腫瘤性病変。膵臓の腫瘤性病変。

腹部エコー。

私の施設で最初に撮影する画像は心窩部縦走査での肝左葉。

皆さんの施設ではスタートはどの断面ですか??

 

 

 

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心窩部縦走査

沢山の情報を得ることのできる一枚ですよね。

エコー習い始めたころは、この一枚を撮るのにも必死で臓器の中まで目が向かなかったり、周囲の情報を見逃したりしていました。

 

 

 

 

今回はエコー習いたての方が見落としていた症例になります。

 

新患。心窩部痛でエコー検査依頼。高齢の方です。

心窩部縦走査での一枚はこの画像を残してくれてました⇩

左側の画像になります。

 

 

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肝臓の表面がやや突出しています。

検査している本人は気が付いてませんでした。

 

確認時の動画になります⇩

肝左葉に低エコーの腫瘤が2つ確認できます。

肝細胞癌??転移性肝腫瘍??はたまた違う腫瘤??

 

 

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全体の動画になります⇩

 

youtu.be

 

膵臓に腫瘤が見られ、肝に多数の腫瘤が見られました。動画では肝左葉だけですが右葉内にも数ケ認められ、転移性の肝腫瘍をすぐ考えてしまいましたが。。。肝左葉の辺縁にある腫瘍は突出しています。これを最初に発見してると、肝細胞癌を考えたと思います。

造影CTでこの肝左葉の腫瘤について見てもらいましたが、動脈相での染まりは腫瘤の被膜のみで腫瘤は造影されていないため転移性との事でした。一緒に見ましたが、普通に黒かったですw

 

最初に検査した人は膵臓も何かいつも見る感じとは違うと思ったそうですが、腫瘤とは思わなかったそうです。全体がゴツゴツしててわかりにくかったみたいです。

 

検査の最初の一枚にもどります⇩

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ここに写ってたのが膵臓です。一枚の画像で2つの所見を得ていましたが、写真を撮ることに気を取られ情報を逃してしまっていました。

膵癌と肝転移になります。

 

綺麗な画像を残すことは大切です。そしてその画像を残しつつ、見えている臓器や周辺の組織にも目をむけ評価していくことがさらに大切になってきます。「あれ?いつもと違うなぁ」と感じた時はその部位をじっくり色んな設定で見ていくと だんだん見えてくるものがあると思います。

 

心窩部縦走査には、肝左葉・膵臓・胃・大動脈・下大静脈・上腸間膜動脈…などなど

沢山の情報が埋まってます。ぜひ発掘していってください。

 

 

 

 

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