らぴゅたった

解像度が低いエコー機械でも…

腎膿瘍のエコー像。腹痛。腰痛。発熱。

小さい頃から 尿を我慢してたら膀胱がだんだん大きくなって許容範囲が増えるって聞きますが、我慢はやっぱりよくない💦

だいたい250mlくらいで尿意を感じ、500mlくらいで限界を感じるらしいですがw

残尿は50ml以下が許容範囲くらいですかね✨

 

 

 

16歳男性

4日前より右腹部痛

昨日より37℃~の発熱あり。

本日、腹痛増強のため来院

 


腎膿瘍1

 

右腎に嚢胞様のエコー像を認めます。

 


腎膿瘍2

 

 

 


腎膿瘍3

 膀胱は緊満し内部に混濁を認めます。

だいたい膀胱炎になると、おしっこが近くなるって聞きますけど💦めっちゃ溜まってる💦

 

 

~エコー所見として🐣

右腎:下極に径24㎜の混濁した嚢胞を認めます。

腎周囲のエコーレベル上昇と腎腫大を認め、炎症に伴う変化を考えます。

 

膀胱:尿緊満あり。憩室も見られます。

内部に沈殿物や浮遊物が見られ膀胱炎を考えます。

膀胱頂部に尿膜管遺残が認めらますが、炎症の波及は見られません。

 

膀胱炎~右腎盂腎炎を考えます。

 

右下腹部に少量の腹水貯留あり。

虫垂の腫大なし。

 

と記入しました。

 

急性腎盂腎炎は重症化するとAFBN➝膿瘍と病態が変化していきます。

 

 

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 腎盂腎炎だけだとエコーで見つけにくい時がありますが、AFBNや膿瘍は発見できますので高熱患者の検査をするときは腎臓にも注目してみてください🍀

特にAFBNを非炎症性腫瘤としないように注意です🍀。

 

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右腎膿瘍

腎皮質に発生するものは、糖尿病や人工透析、薬物乱用などによる皮膚や口腔などからの静脈を通じてで、起因菌としては黄色ブドウ球菌が多く、膿瘍は一般に片側性です。

 

腎髄質に発生するものは尿路結石や膀胱尿管逆流などの尿路感染や糖尿病が原因となります。

 

腎膿瘍の症状としては、悪寒を伴う発熱や、背部の痛み 、側腹部痛、体重減少、全身の倦怠感、吐き気などがみられます。

腎髄質膿瘍では、頻尿などの尿路感染の症状もでます。

背部の痛みは肋骨脊椎角部叩打痛(こうだつう)CVA:腎臓の痛み・腎疝痛

 

腎筋膜(Gerota筋膜)内に貯留するものを腎周囲膿瘍といいます。

腎髄質膿瘍では、膿瘍が尿路と交通しているので膿尿を認め、尿培養検査で起因菌を特定でき、腎皮質膿瘍では、尿所見が乏しく、血液培養で起因菌を特定していきます。

 

治療法は抗生物質の投与が一般的になります。

膿瘍が直径3㎝以下なら保存的治療が期待でき、5㎝を超えると穿刺ドレナージを行います。無機能腎であったり、感染が激しい場合には摘出などの外科的処置を検討します。

 

 

所見ありました?転移性肝腫瘍のエコー画像

肝臓の症例時に提出した画像です(•ᵕᴗᵕ•)

70代 女性 食欲不振にて検査依頼

 

 

肝左葉辺縁に腫瘤を認めます。

肝細胞癌なのか、転移性肝腫瘤なのか鑑別しないとです🐣

 


肝転移1

 

肝腫瘤のほかに何か見えましたか?

私たちは普段、一つ所見を発見するとそればかりが気になってしまいがちです。

一画面に多くの情報があるので、常に広い視野で検査できればと思います。

 


肝転移2

 

肝内に同様の腫瘤がいくつか見られ、転移性肝腫瘤が疑われます。

肝周囲のリンパ節腫大も見られます。

胆石もありますが…

もう皆さんお気づきでしょうね✨

実は胃癌の所見が一緒に描出されています。

エコー経験者だとすぐ見つけれたと思います。

ためしに職場の先輩に見せてみて下さい。すぐわかるはずです🐥

 

では胃の方にも目を向けて最後の動画を🍀


肝転移3

 

胃は前庭部以外で全体に著明な壁肥厚を呈しています。

内腔の狭窄あり。

胃体部小弯部、膵周囲、大動脈周囲に大小のリンパ節腫大を認めます。

 

腹部エコーをいつから独り立ちして検査する?って気になりますが、このような症例で全体を見ることができれば検査可能かなぁと🐣一つの目安になりますかね?

一緒に働いてる人にも試してみてください🙌🏻

 

 

造影CT➝肝:大小の二重輪郭を有する低吸収域が多数。動脈相で辺縁主体の染まりあり、平衡相で辺縁の染まりは増強し内部の低吸収域が著明で転移性肝腫瘤です🎬

 

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肝腫瘤

【転移性肝腫瘍(転移性肝癌)】

多発性の肝転移の場合には手術適応はなく、持続動注療法や全身化学療法が第一選択の治療法になる。

肝動脈と門脈の二重支配を受けているため、血行性転移は大腸・直腸・胃・膵臓などからの経門脈性肝転移と

腎・乳腺・肺・甲状腺・子宮・卵巣・膀胱・皮膚(悪性色腫)などからの経動脈性肝転移に大別される。

その他、進展様式として リンパ行性・直接浸潤がある。

肉眼像は、結節型・塊状型・肝門・グリソン型・連続浸潤型・顕微鏡型の5型に分類される。

 

 

 

喉の痛み。頸部痛。甲状腺腫大?食道憩室のエコー像

桜が満開で、散る花びらを見ると爽やかな気分になります🌸‹‹\( ˙▿˙ )/››‹‹\( ˙▿˙ )/››♡

 

 

今回は右頸部痛。耳鼻科より、「甲状腺腫大疑い」で超音波依頼の症例です。

 

頸部内視鏡検査では著変なし。

昨日より、嚥下痛があるとの事💦

 

 


食道1

 

 通常食道は左甲状腺を観察時に見えますが、今回は右甲状腺下極に接するように腸管構造が描出されました。

甲状腺には特に異常なく、腫大は見られません。

甲状腺に接しているので甲状腺腫瘤としないように、壁の性状や食道との連続性を観察していきます。

ここで甲状腺腫瘤としてしまうと、穿刺細胞診など行われてしまうかもなので注意です⚠️(*´>д<)

症例を知ってさえいれば間違えなくて済むと思います。知識は大切🍀(*ᵕᴗᵕ)ウンウン

 


食道2

 

 

食道憩室は発生部位により、咽頭食道憩室、中部食道憩室、横隔膜上憩室があります。

 

咽頭食道憩室は稀な疾患で、発生部位より Zenker憩室・Killian-Jamieson憩室・Laimer憩室の3つに分類される

 

Zenker憩室が最も多い(全消化管憩室の0.01~0.11%)

Zenker憩室:下咽頭収縮筋の下方でかつ、輪状咽頭筋の上方から発生する

Killian-Jamieson憩室:輪状咽頭筋の下方から発生し、食道の前側方に存在する

 

症状がないことが多く、憩室が大きくなると炎症を起こしたり、嚥下痛、嚥下困難、食物の停滞感などが出てきます。口臭の原因にもなるそうです💦

 

(食道裂孔ヘルニアは横隔膜の食道裂孔を通して胃の一部が縦隔内に入り込む病態なので腹部領域ですかね💦)

 

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食道

 ✨食道憩室の分類✨

発生原因

 食道壁の弱い部位に内圧が加わり発生する内圧出性憩室と食道壁の周囲組織の炎症・癒着・瘢痕性収縮等により壁が脆弱になり生じる牽引性憩室があります。

発生部位

 咽頭食道憩室・・・10%

 中部食道憩室・・・70~80%

 横隔膜上憩室・・・10%

・組織学的所見

 真性憩室:粘膜・筋層・しょう膜のすべてが突出する

 仮性憩室:筋層が欠損して、粘膜としょう膜が突出する

 

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食道憩室

あとはMDLと胃カメラの検査に🐥。

 

治療は症状がなければ一般にそのままで、治療の必要はありません。

症状があって困るときは手術での摘出となります。

 

 

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通常、左甲状腺を観察すると食道も一緒に描出されることが多いので、左側の動画もありましたので追加します😊頸動脈検査時に発見しました。


食道憩室

患者さんに協力してもらい、つばを飲み込んでもらったりして観察しました。

この方は自覚症状もなく経過観察されています。

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左側の食道憩室

気になったので自分のも見てみましたが、私にはなかったですw
 

 

 

 

 

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急性胆嚢炎。胆嚢壁穿孔のエコー像。栓が……💦。

お疲れ様です٩( 'ω' )و

今日はコロナ疑いの検体を2つ保健所に提出しました。少しずつ暖かくなってきてるので一旦終息されればいいですが( ^_^ ;)

 これから先もコロナウイルスがいなくなるわけではないので、マスク、消毒、手洗いは欠かせませんね。皆さんの意識が高いので違う感染症も減りそうです。

 

 

 

今回は整形外科の大腿骨骨折にて術前心エコー🚑

と ついでに肝機能異常があるので腹部エコーも検査。での依頼🎬

ご高齢の細身の女性でした。

骨折部位は痛そうでしたが、腹部の痛みの主張はなかったです💦

 

 


胆嚢

 腫大した胆嚢内にはデブリスと結石がみられ、胆嚢周囲には液体貯留を認めました。

動画が短いですね💦

 

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胆嚢穿孔

拡大して観察すると、壁の一部で連続性が途切れ穿孔し同部位はデブリにより栓がしてありました。

なんとリアルタイムな…💧

周囲には漏れ出ているであろう胆汁様の液体貯留が見られました。

というわけで、整形の手術よりも先に外科へ。

胆嚢摘出手術となりました💦

 小さな総合病院ですが、こういう時は便利です。整形外科のみの病院だとそもそも腹部の検査をしていないかも…

 

痩せてる人では胆嚢は表在近くに描出されることが多いので、高周波プローブでも描出するようにしています。意外に小さな腺筋腫症などが発見できます🐣

 周囲への炎症の波及はどの程度か🍀液体貯留はないか🍀小腸にイレウス所見がないか🍀など胆嚢周囲の情報も記入します🐣

 

【急性胆嚢炎】

胆嚢が軽く炎症を起こしているもの:カタル性胆嚢炎

膿がたまり胆嚢が腫れてくる:化膿性胆嚢炎

重症化して胆嚢の一部が壊死したり穴が開く:壊疽性胆嚢炎

細菌の影響で胆嚢内にガスがたまる:気腫性胆嚢炎

  

胆嚢は肝臓の右下にある臓器で、肝臓で作られた胆汁という消化液を一時的にためて置く臓器です。胆汁は食事が刺激となり収縮し胆嚢管を通って十二指腸へ流れていきます。

急性胆嚢炎のほとんどは胆石が原因と言われています。(95%以上に胆石症を認める)

胆汁の通り道である胆嚢頸部や胆嚢管に胆石が詰まり、細菌に感染したり膵液が詰まったりして引き起こされます。

また、胆嚢捻転や奇形、血行障害、周囲臓器の炎症、腫瘍、寄生虫膠原病、アレルギーなどが原因になることもあります。

 

症状は食後におこる右側腹部~肋骨周囲、みぞおちの痛みが特徴的で炎症が強くなるにつれて右肩や背中に痛みが広がっていき高熱・嘔吐・食欲不振を伴うことが多く、黄疸・肝機能障害も見られることがあります。

 

 

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胆嚢炎

 

胆嚢穿孔の分類として用いられるNiemeier分類では、

タイプ1:胆嚢と他の臓器間の瘻孔が存在する慢性穿孔・・・40.6%

タイプ2:穿孔胆嚢が、腹腔内から癒着によって隔離された膿瘍に囲まれている亜急性の穿孔・・・46.2%

タイプ3:胆嚢周囲が癒着することなく遊離腹腔内への急性胆嚢穿孔・・・10.1%

 

~急性胆嚢炎の超音波所見~

腫大(長軸径8㎝以上。10㎝を超えれば全例・短軸径4㎝以上)

壁肥厚:4㎜以上

肥厚した壁内に低エコーのSonolucent layerが見られる(漿膜下浮腫)

胆嚢頚部嵌頓結石

胆泥・デブリ

急性胆嚢炎で壁の肥厚が著しい時は捻転を疑う

 

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※バイローマ:biloma・胆汁瘤・胆汁漏

胆汁性仮性嚢胞。胆道系の破綻により胆汁が腹腔内に漏出し、限局性に被包化され、肝内外に嚢胞を形成する病態。

外傷または手術(肝切除やTAE)などにより胆道(胆嚢・胆管)の損傷をきたすか、胆嚢炎、胆管炎、胆道癌により胆道の破綻を来すことにより生じる。

炎症性変化や出血を伴う場合には内部エコーが見られる。

 

胆汁性仮性囊胞胆道系の破綻により胆汁が腹腔内に漏出(胆汁漏)し,限局性に被包化された結果として肝内外に囊胞を形成する病態である.

 

心窩部痛。胃が痛い。胃カメラで多発胃潰瘍

20歳男性。

数日前から胃がキリキリ痛むとの事でエコー検査依頼。

依頼内容は「心窩部痛」

エコーを初めてまもなしの子が検査を担当しました。

特に異常がないので、膵臓だけチェックしてもらえますか?

と言われ検査へ。

 

 

 

患者さんに話を聞きながら、腸管に異常がないか確認していくと すぐに胃壁の著明な肥厚が目につきました。

動画がめっちゃ短くてすいません💦

心窩部~右季肋下からは胃前庭部の観察ができます。

胃前庭部の壁肥厚です


胃壁

 

胃底部~体部は食後4時間ですが拡張し内部に残渣物を認めます。

 

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~エコー所見~

胃前庭部に著明な壁肥厚を認めます。

胃底部は拡張し内部に残渣物を多く認めます。

小腸の拡張を軽度認めます。

大腸は全体的にガスが少ない印象ですが、浮腫や拡張は見られず炎症所見は得られませんでした。

虫垂は拡張した小腸により描出が困難でした。

腹水貯留なし。

 

 

 

胃カメラにて、出血性十二指腸潰瘍と診断されました。

胃カメラの所見には 

  食道:出血あり

  胃:前庭~幽門部~胃角部に黒色の出血痕を伴った浅い潰瘍が多発

  十二指腸球部前壁にも黒色出血痕を伴う潰瘍あり。白苔を伴うびらん散在

と記入されていました。

 

腹部エコーでは腸管の病変も捉えることが可能なので、肝・胆・膵・脾・腎・膀胱・婦人科・前立腺以外にも目を向けて検査していきます🐣

特に腹痛の原因は腸管にあることが多いので、ルーチン検査時に正常の腸管がどのような雰囲気なのか見ていくと異常があるときにすぐ気が付くことができると思います🐣

同じ腹部領域なので、依頼部位以外にも日頃から少し描出するようにしています🐣

 

 

 

 

 

 

 

胃潰瘍・十二指腸潰瘍】

胃液(強い酸性)の刺激によって、胃・十二指腸の組織がはがれ内部がえぐられた状態です。

症状はみぞおちの痛みで、胃潰瘍の場合食後痛が多く、十二指腸潰瘍の場合は夜間早朝や空腹時痛が多いと言われています。

胸やけ・胃もたれ・吐き気・嘔吐・食欲不振などがあります。

自覚症状がない人もいます。

潰瘍が進行すると出血や穿孔を伴い、出血の場合は黒色便が出ます。

 

・原因

◎最近では ヘリコバクターピロリ菌が深く関わっていることが明らかになってきました。

◎薬剤:抗炎症薬・ステロイド薬・抗生物質抗がん剤

◎ストレス

◎アルコール・香辛料

◎急性胃粘膜病変として アニサキス

 

 

食事制限で胃の安静と胃酸の分泌を刺激しない様に、消化の良い柔らかいものを少量づつ摂取していきましょう🍴

ミルクやバニラアイスは胃酸を中和してくれます🐮

規則正しい食生活をし、アルコール飲料、タバコ、カフェインの多い飲み物は避けましょう。タバコは潰瘍の治療を遅らせ再発しやすくするので注意です⚠️

 

 

 

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エコー検査で胃壁は3~5㎜ほどで、胃底部から幽門に向かうにつれ徐々に厚くなります🍀

幽門輪は8㎜ほどに厚い場合があるが他は5㎜を超える場合、胃炎・潰瘍・腫瘍などの可能性が考えられます🍀。

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胃壁肥厚

 

 

転移性肝腫瘍のエコー像。大腸癌からの転移。

転移性肝腫瘍(転移性肝癌)は肝臓以外の臓器にできた癌が肝臓へ転移したものです

 

 

 

肝腫瘍の中で頻度が高く、肺転移に次ぐ転移の好発部位になります。

径門脈性転移が起こりやすい消化器系の癌では 肝臓が転移先として最初の標的になる臓器と言われています。

血行性転移は 胃癌・大腸癌・膵管癌(径門脈性)

       乳癌・腎細胞癌(径肝動脈性)

直接浸潤は胆道系悪性腫瘍

によるものが多いと言われています。

 

 

今回は大腸癌術後の肝転移のエコー像です

 


転移性肝腫瘍

 

 

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転移性肝腫瘍

 

無数の類円形の高エコー腫瘤を認めます。腫瘤辺縁に低エコー帯が見られます。

肝静脈は圧排され走行が不整に見えます。

消化管原発の肝転移は等~高エコーに描出されることが多いと言われています。

 

 

 

 

肝臓に悪性を疑う腫瘤を発見したら、原発なのか転移なのか鑑別しますよね。

腫瘤が複数あれば転移なのかなぁと思いながら検査していきますが、他の悪性疾患が過去にあったという情報は大切です💦

背景肝にびまん性の疾患があったり、肝炎ウイルスが陽性の場合は原発肝細胞癌の可能性が…とか考えて検査します。

でも わからない時は他検査(造影CTなど)にすぐお任せしてます笑

逆にCT検査をして鑑別できないからエコーを。という場合がごくまれにあるので

その時はいろんな情報を集めてエコーの画像所見もしっかり記入して可能性が高いであろう疾患を記入してます。

 

【転移性肝腫瘍(転移性肝癌)】

多発性の肝転移の場合には手術適応はなく、持続動注療法や全身化学療法が第一選択の治療法になる。

肝動脈と門脈の二重支配を受けているため、血行性転移は大腸・直腸・胃・膵臓などからの経門脈性肝転移と

腎・乳腺・肺・甲状腺・子宮・卵巣・膀胱・皮膚(悪性色腫)などからの経動脈性肝転移に大別される。

その他、進展様式として リンパ行性・直接浸潤がある。

肉眼像は、結節型・塊状型・肝門・グリソン型・連続浸潤型・顕微鏡型の5型に分類される。

~結節型~

典型的な肝転移像。経動脈性(肺癌・乳がん)と経門脈性(胃癌・大腸癌・膵癌など)に大別される。画像上は単発あるいは多発の類縁形腫瘤として描出される。

乳癌や胃癌、前立腺癌では栗粒大の小転移巣がびまん性に見られる。

 

壊死:転移性肝腫瘍の最大の特徴は比較的早期から中心壊死(central necrosis)を伴う点で、中心部に壊死・辺縁部に腫瘍が存在し同心円状の構造を示すことが多い。

エコーでは中心部の高エコーと辺縁部の低エコー帯によってブルズアイサインを示す。

また、腫瘍が大きくなると低あるいは高エコーを呈する腫瘍の外周に低エコー帯が認められることが多い。

肝細胞癌で認められるハローは組織学的には線維性の被膜に相当するが、肝転移で認められる周囲低エコー帯は組織学的に明らかな線維性の被膜構造は存在せず、多くは腫瘍に圧排された肝実質と一部は腫瘍辺縁部を見ているものと考えられている。

単純CTでは病変全体が軽度低吸収を示し、特徴がつかめないことが多い。

 

石灰化:大腸癌・直腸癌・胃癌などの消化器系の粘液産生腺癌の肝転移巣に生じやすいが、甲状腺癌(髄様癌)・乳癌・腎癌・卵巣癌・などでも認められることがある。

化学療法に伴い転移巣に石灰化が生じることはしばしばみられる。

 

線維化:消化器系の腺癌(胃癌・大腸癌・膵癌・胆嚢癌・胆管癌)からの肝転移は壊死部に線維化を伴うことが多い。繊維成分の豊富な壊死部が肝表面に存在すると、癌臍を形成し肝表面が陥凹する。

 

粘液成分:粘液産生の豊富な粘液癌は腺癌の一種で、その肝転移は特徴的な画像所見を示す。エコーでは高エコーを呈し血管腫との鑑別が問題になる。

単純CTでも明らかな低吸収を示し、肝嚢胞や肝血管腫と類似する。

MRIでもT1強調像で明瞭な低信号、T2強調像では著明な高信号を示し、嚢胞や血管腫が鑑別の対象となる。

粘液性癌の肝転移との鑑別は造影検査が不可欠となる。

 

液化壊死:中心部が嚢胞状を呈する。平滑筋肉腫・腎癌・食道などの扁平上皮癌の肝転移があげられる。壊死部が広範な場合には充実部が認識できず肝嚢胞と誤認することがあるので注意。充実部の一部が乳頭状を呈する場合には肝原発の嚢胞腺腫や腺癌が鑑別の対象となる。

 

~塊状型~

一葉を占めるような巨大な単発性のこともあるが、多数の転移巣が癒合し塊状を呈する場合が多い。腫瘤の辺縁が分葉状を呈し、エコーではクラスターサインとして描出される。腫瘤内部に取り込まれた門脈枝や肝静脈枝が狭窄像として描出されることもある。

 

~肝門・グリソン浸潤型~

転移病巣が肝門部から連続性にグリソン鞘に沿って浸潤。

胆嚢癌や肝胆道系腫瘍では肝十二指腸靭帯を介して肝内グリソン鞘に直接浸潤する。

悪性リンパ腫がグリソン鞘に主座をおくこともある。

 

~連続浸潤型~

隣接臓器の癌が連続的に肝内に浸潤し腫瘤を形成する。

肝床部から肝内に浸潤する胆嚢癌がその代表で、他に胃・食道・右副腎・右腎・後腹膜の悪性腫瘍でも認められる。腹膜播種をきたした卵巣癌や精巣腫瘍が肝表に波状の陥凹像を呈することがある。胆嚢癌では連続浸潤に加えて、左葉内側区や右葉前下区に胆嚢床から離れるにつれて小さくなる肝内転移を伴うことがある。これは胆嚢静脈が直接肝内門脈枝に還流しているため、その還流領域である内側区域や右前区域に転移する傾向が強くなるためと考えられている。

 

 

 

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梱包が大変💦ついにコロナ検査を受け入れる準備へ。

近くにある大企業にコロナ患者が発生したので院内は完全面会禁止になってしまい家族の面会もできなくなりました。

コロナ検査の保険点数1800点も新設され、ついにうちの病院も「帰国者・接触者外来」の登録へ…💦

 

保健所が検査してくれない検体は 検査センターへお願いする形になります。

発送先は東京。平日のみ受領可能とのこと。

ご存知の通り、検体搬送には梱包が大変で、三次梱包容器の購入をしないとです😅

 

(株)スギヤマゲンさんが販売されている搬送に必要な

吸収剤(1次容器の干渉防止と漏れ対策)・2次容器3次容器を見てみると

 

・吸水バッグ20枚入り 2,000円 

・2次容器としての「バリアパウチ」 20枚 5,000円

・3次容器としての「バリアボックス」20枚 8,000円

                  (セキュリティラベル付き)

 

 

容器だけでも結構コストが😱😱

 

ゆうパックでの輸送になるので🚚💨

4次容器としての「バリアトランク(ジュラルミンケース)」24,000~円

も必要となってきますΣ(゚∀゚ノ)ノキャー

バリアトランクは欠品中💦

 

4次容器は検査センターに空きがあれば貸し出ししてくれるそうです ε-(´∀`;)ホッ

 

 

4次容器のBOX側面に貼付る危険物の用紙と、BOX上面に「安全性適正包装確認済ラベル」を ゆうパック送り状と共に貼り付けてから郵送になります🍀

 

なるべく検体でない方がいいなぁ。。。。

 

 

検体採取方法はこちら

国立感染症研究所 新型コロナウイルスを疑う患者の検体採取・輸送マニュアル

 

 

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