急性虫垂炎は発熱(微熱)や嘔吐、胃の不快感や痛み(心窩部痛)、腹部の痛みが症状として見られます。突然お腹が痛くなる疾患の中で最も頻度が高いので、胃の不快感や痛みから始まり徐々に右下腹部に痛みが移動していくなら早めに病院を受診しましょう。
最近は画像の解像度がよく、炎症のない虫垂でも観察できるようになりました🍀
普段の腹部エコー検査でも、虫垂を描出する練習を2~3分していくと目が慣れてきます。
右下腹部総腸骨動脈・静脈を描出し頭側へ動かしていくと、上行結腸のガスが見えてきます。盲腸・回盲部・虫垂口(根部)を同定し、虫垂を発見します👀💕
とりあえずコンベックスで全体の雰囲気の把握✨
すぐに同定できない時は回腸が大腸につながる場所、回盲部を探し、
回盲部が同定できたら、それよりも下(盲腸側)の周囲に虫垂らしき構造がみえるかじっくりと観察。
リニアプローブで詳細な観察。ふくよかな方では深度があり、見づらくなるので注意です笑。
虫垂の同定ができたら、内腔・周囲の評価へ🐣
内腔の膿や糞石の有無🐣
壁構造は保たれているか🐣
周囲炎症の程度は?🐣
虫垂の位置を確認したら高周波プローブに持ち替えて壁構造や内腔の評価へ🐣
虫垂の壁は、外側から
漿膜
筋層
粘膜下層
粘膜
となるので、虫垂を見慣れてくると、回腸との違いがわかります🐣
よく、これですか?って回腸末端を見せられますがwww
最終的に虫垂よりも、盲腸部の壁に高エコーの隆起が見られたのでそっちの方が気になってますw
※憩室炎など他の腸の炎症疾患と鑑別できるように、腫大のない虫垂の証明をします🐣
女性は卵巣など婦人科疾患がないか追記🐣
※虫垂が腸のガスで描出できない時は、横向きに寝てもらうなど体位を変えると描出できることがあります🐣
~今回のエコー所見~
虫垂は径8㎜ほどに腫大し、先端には膿貯留を認めます。壁構造は保たれています。
糞石は確認できません。
回盲部~上行結腸に炎症の波及を認めます。
周囲液体貯留なし。リンパ節腫大なし。
何時方向にどれくらいの長さで…と表現する施設もあるみたいですが、体を動かすと虫垂の位置も変わるので書いてませんw
若いぴちぴちな職場の人で練習して 腫大してない虫垂を発見してみて下さい🐥
see you ~*˙︶˙*)ノ❤
【急性虫垂炎】
虫垂の非特異的急性可能性炎症
短軸径が6㎜以上あると病的腫大
初期症状:悪心・嘔吐・心窩部痛
進行すると腹膜刺激症状:筋性防御 Blumberg(ブルンべルグ)徴候・右下腹部痛
圧痛点
McBurney(マックバーニー)点:虫垂の付着部
Lanz(ランツ)点:虫垂の先端
Kummel(クーメル)点:臍の右下1~2㎝の点
カタル性虫垂炎
壁の5層構造は保たれ、粘膜下層の軽度壁肥厚が見られる
短軸径6~8㎜
粘膜下層の血流シグナルの軽度増強がみられる
層構造は比較的連続性が保たれ、短軸径8㎜以上
粘膜下層の肥厚が著しく、低エコー化することもあり血流シグナルの増強が全周性にみられる
壊疽性虫垂炎
粘膜下層の低エコー化と壁の層構造の不明瞭化
虚血のため血流シグナルは減弱~消失
膿性腹水あり
短軸径10㎜以上
穿孔性虫垂炎
壊疽性虫垂炎の所見に穿孔を伴う。形状不整
腹水、膿瘍、イレウスの出現