らぴゅたった

解像度が低いエコー機械でも…

何が見えますか?👀💕

家のお庭の桜もチラチラ咲きはじめました🌸


今回は健康診断で腹部エコーに来られた40代の男性。

私「エコーの検査で今まで何か言われたことはありますか?」

男性「腎臓がないないって言われて違う人にも検査されましたが、やっぱりないと言われました笑」

私「摘出とかされてないですよね?乳児期に異常とかは?」

男性「ないです」

私「じゃ見てみましょう🌸」

 


???

 

 

見えますか?画質が悪くてわかりにくいですよね💦

右腎は著明に萎縮し、画像では 腎臓の何となくの形がわかるくらいです。

けっこう古い機械での画像になりますが、画質が悪くてもわかります。笑

 

 

 

腎臓は萎縮しても、腫瘍化しても何となく腎杯などの形状がわかります。

腎不全の時など、萎縮しエコーレベルが高くなり周囲との境界が不明瞭になりますよね💦

透析患者さんの腎臓も たまにどこにあるのか見つけるのに時間がかかりますw

 

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右腎

腎臓があるべき位置でよーく観察していけば、だんだん形が見えてきます。

腎移植をされてる人では、腎臓は骨盤腔内に見られたり、先天異常などでは発見できないかもしれません

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左腎

右腎が低形成なので 左腎は13㎝と腫大し頑張って機能してくれてるみたいです✨

 

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左右腎

腎臓でも胆嚢でも思った位置に想像どおりに存在してない時があるので、いろんなパターンを念頭に置いて検査していければと思います🐼

 

 

【腎不全】

急激に腎臓の機能が低下する急性腎不全と、数カ月から数十年の長い年月をかけて腎臓の働きがゆっくりと悪くなる慢性腎不全があります。

 

急性腎不全は、治療により腎機能の回復の可能性がありますが、慢性腎不全では回復は見込めません。

慢性腎不全では腎機能の低下が軽い間はほとんど症状がありませんが、腎機能がかなり低下してくると尿の量が増える(特に夜間)、目のまわりや足のむくみ、疲れやすい、食欲がない、息切れがする、皮膚がかゆいなどの症状がでてきます。

 

慢性腎不全で体内に尿毒素や余分な水分が蓄積し、尿毒症状が出ているが透析を受けなくてもよい状態を腎不全保存期といい、この時期は降圧剤による血圧管理、塩分・水分の制限によって余分な水分の蓄積を防ぐ、たんぱく質・リン・カリウムの摂取制限とエネルギーの十分な摂取などの食事療法、症状に応じた薬剤の投与などにより、腎不全の進行を遅らせることができます。

治療しても腎機能の低下が進行した状態が末期腎不全です。

末期腎不全(透析期)では、尿毒症の症状が強くなるため体内にたまった老廃物を除去するために腎代替療法が必要となってきます。末期腎不全では対症療法として、人工透析・根治療法として腎臓移植があります。

 

・腎臓の主な働き

体液の調整:尿量を調節して、体内の水分量を一定に保つ

老廃物の排泄:尿として排泄

電解質の調節:ナトリウム・カリウム・カルシウム・リンなどの濃度を調節

酸塩基の調節:血液を弱アルカリ性に保つ

ビタミンDの活性化:カルシウム・リンのバランスを整え正常な骨を維持する

エリスロポエチンの分泌:赤血球の産生を促す

レニンの分泌:血圧を調整する

 

・腎機能が低下すると…

水分が体にたまる:浮腫・高血圧・低ナトリウム血症・肺水腫

老廃物が体にたまる:尿毒症(食欲低下・吐き気・意識混濁・けいれん)

電解質が体にたまる:高カリウム血症・高リン血症

血液に酸がたまる:呼吸が速くなる・電解質バランスが悪くなる

ホルモン異常:貧血・骨がもろくなる・高血圧

 

 

🌸🌸🌸🌸 

次は肝臓の症例時に提出した画像です(•ᵕᴗᵕ•)

70代 女性 食欲不振にて検査依頼

 

肝左葉辺縁に腫瘤を認めます。

肝細胞癌なのか、転移性肝腫瘤なのか鑑別しないとです🐣

 


肝転移1

 

肝腫瘤のほかに何か見えましたか?

私たちは普段、一つ所見を発見するとそればかりが気になってしまいがちです。

一画面に多くの情報があるので、常に広い視野で検査できればと思います。

 


肝転移2

 

肝内に同様の腫瘤がいくつか見られ、転移性肝腫瘤が疑われます。

肝周囲のリンパ節腫大も見られます。

胆石もありますが…

もう皆さんお気づきでしょうね✨

実は胃癌の所見が一緒に描出されています。

エコー経験者だとすぐ見つけれたと思います。

ためしに職場の先輩に見せてみて下さい笑。すぐわかるはずです🐥

 

では胃の方にも目を向けて最後の動画を🍀


肝転移3

 

胃は前庭部以外で全体に著明な壁肥厚を呈しています。

内腔の狭窄あり。

胃体部小弯部、膵周囲、大動脈周囲に大小のリンパ節腫大を認めます。

 

腹部エコーをいつから独り立ちして検査する?って気になりますが、このような症例で全体を見ることができれば検査可能かなぁと🐣一つの目安になりますかね?

一緒に働いてる人にも試してみてください🙌🏻

 

 

造影CT➝肝:大小の二重輪郭を有する低吸収域が多数。動脈相で辺縁主体の染まりあり、平衡相で辺縁の染まりは増強し内部の低吸収域が著明で転移性肝腫瘤です🎬

 

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肝腫瘤

【転移性肝腫瘍(転移性肝癌)】

多発性の肝転移の場合には手術適応はなく、持続動注療法や全身化学療法が第一選択の治療法になる。

肝動脈と門脈の二重支配を受けているため、血行性転移は大腸・直腸・胃・膵臓などからの経門脈性肝転移と

腎・乳腺・肺・甲状腺・子宮・卵巣・膀胱・皮膚(悪性色腫)などからの経動脈性肝転移に大別される。

その他、進展様式として リンパ行性・直接浸潤がある。

肉眼像は、結節型・塊状型・肝門・グリソン型・連続浸潤型・顕微鏡型の5型に分類される。