らぴゅたった

解像度が低いエコー機械でも…

心エコー。組織ドプラ法(tissue Doppler imaging)。e´(eプライム)。E/e´。

組織ドプラ法(tissue Doppler imaging):TDI

 

E波・A波と一緒に覚えていきたいのはこちらっ(*´∀`*)ノ。組織ドプラ法。

心筋に色をつけて測定するあれです。笑

では、よろしくお願いします(•ᵕᴗᵕ•)

 

10月27日(水)21時~

 

 

 

 

パルスドプラ法を心臓組織に応用したもの。

僧房弁輪運動速波形を用い、拡張能の評価や予後の推定が可能

 

組織ドプラ法モード(TDI)に切り替え、サンプルボリュームの幅を10㎜程度に広めに設定し、僧房弁輪部に置いて波形を記録する。

僧房弁輪部の動きとパルスドプラ法のビーム方向が平行でないとe´は過小評価となる。

毛羽立ちやスパイクがないようにフィルタとゲインを低めに設定する。

 

心筋壁からの波形は主として3峰性で、収縮期波(Sw)・拡張早期波(Ew)・心房収縮期波(Aw)から構成されている。

他に等容収縮期(ICTw)等容拡張期(IRTw)の波形も観察される。

 

心室が収縮しているときを収縮期、弛緩しているときを拡張期といいます。)

(収縮期は等容性収縮期駆出期、拡張期は等容性弛緩期充満期に分けられます。)

 

 

 

 

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組織ドプラ法 中隔

 

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組織ドプラ法 側壁

e´の前に少し小さな波形がでるので、それと間違えないようにすること。
側壁の方が波形が大きくなる(中隔は右心により動きが抑えられるため)。

中隔と側壁、両方計測して平均する。

二腔像にすると下壁と前壁側も計測できる。

 

 


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OK。もう少し弁輪部にサンプルボリュームを置くようにする。


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OK。側壁はドプラガイドと角度に差があるので少し画像を調整する。

 

 


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OK。側壁は弁にサンプルボリュームがあるのでもう少し外側へ。

 


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Bモードで組織以外にも色がついているので、ゲインを下げる。

側壁側は角度がついているので画像を調整する。

 

 

 

 

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

 

先生質問\ハーイ/

e’の前にでてくる小さな波形は何を意味してるのですか(・・?)

 

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

 

e'の前にあるのは等容拡張期。a'の後にあるのは等容収縮期です。

s波は弁輪部が、心尖部方向へ動く様子を反映している。

つまり、良く見れば心臓の予備能を知ることが出来る。

ある意味、心不全の心臓の何が知りたいのか?それは予備能が保たれているのか否か?ですね。


f:id:Rapyutatta:20211101125624j:image

 

 

普通それはTei indexで測りますが、正常値の幅が狭すぎる。効率よく等容拡張期や収縮期を測れれば、みんなそれに飛びつくと思います。

心拍が120を超えると等容拡張期は無くなる。詰まりは予備能がなくなり、だんだんと心不全に傾いて行く。

皆さん、心予備能を少し調べてごらん..

実はAo、LAをMモードで切る時,、心拍数の高い人は難なく記録出来るが、健全な人は弁輪が上へ動いて切り難いやろ?皆んな等容拡張期を見ようとしてるんよ。

 

 

左室心筋は心外膜側と心内膜側の斜走筋、中間層の輪状筋の3層構造を呈する。左室短軸断面での左室内径短縮率は主に輪状筋の機能を評価している。一方、多くの心筋病変では心内膜下に病変が出現し、その後、心外膜側に及ぶ。この考えに従うと、心内膜側の長軸機能解析は「左室機能障害の早期発見」に有用である。

弁輪部は収縮期に心尖部へ移動し(s′波)、拡張期には拡張早期と心房収縮期に2峰性に心基部側へ移動する(e′波およびa′波)。

a′波とs′波の間には2相性の小さな波形を認め、等容性収縮期(isovolumic contraction time: ICT)に相当する。

また、s′波とe′波の間にも2相性の波形を認め、等容性拡張期(isovolumic relaxation time: IRT)にあたる。

 

TDIによる心機能分析には以下のような多くの利点がある。

i)e′波は前負荷の影響を比較的受けにくい。
ii)断層画面が不鮮明な症例でも良好な分析ができる。
iii)時間分解能が3~4 msecと極めて良い。
iv)左室内径短縮率では得られない長軸方向の心機能を評価できる。
v)通常の心エコー装置で解析可能である。

 

欠点としては
i)角度依存性である。
ii)心臓全体の動きや周辺組織の収縮の影響を受ける(tethering)。
iii)局所壁運動異常がある場合には心室全体の心機能を反映しない。

などが挙げられる

 

★解析に適した記録を得るためのコツ

まず弁輪の運動方向とドプラカーソルはできるだけ平行に設定する。

また、良好なドプラ波形を検出できるように、サンプルボリューム幅はやや広めとする。

ドプラゲインは可及的に下げスペクトル包絡線(envelop)が認識できる記録が望ましい。

ゲインを上げすぎるとノイズを拾い運動速度を過大評価するばかりでなく、時相解析が困難になるからである。

最後に、低速の運動速度を記録するためドプラフィルターは可及的に低く設定する。

 

Tei indexは収縮能低下も拡張能低下も反映する総合的な心機能の指標である。

正常値は右室では 0.28±0.04 であり、左室では 0.38±0.04 である。右室では 0.40 以上が、左室で は 0.45 以上が異常である。

 

 


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等容性収縮期
心室の収縮が始まる段階。心室内圧は上昇し、すべての弁は閉じる。血液に動きはない。

等容性拡張期 
心室筋が弛緩して拡張が始まる段階。血液が動脈へと流れ出た後、心室圧は低下する。心室圧が動脈圧を下回ると、すべての弁が閉じる。心房には血液が流れ込み始める。

 

等容拡張(弛緩)時間は左室の拡張機能障害の程度を測る指標となる。

等容弛緩時間の延長は心筋の拡張能の低下を表す。正常範囲はおよそ70±12ミリ秒で、40代以上の年齢では更に10ミリ秒程度長くなる。左室拡張能に障害がある場合は、時として110ミリ秒を超えるまで延長することがある。

但し左室流入血流の拘束型流入波形(restrictive ventricular filling)を認める場合は、等容弛緩時間は通常60ミリ秒以下である。

 

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

 

ありがとうございました(*´∀`人)

次回は11月10日(水)21時~

下大静脈とPRの画像をおねがいします(•ᵕᴗᵕ•)

 

 

 

勉強会で使用していた教科書はこちら⇩

心臓超音波テキスト 第3版

 

 

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超音波検査(エコー検査) - らぴゅたった (rapyutatta.me)

 

 

 

心エコー。左室流入速波形。パルスドプラ法。E/A。E波とA波。L波とは??

左室流入速波形 E/A

 

🍀心エコーしてる人なら誰でも計測するであろうこの波形(⌯¤̴̶̷̀ω¤̴̶̷́)✧いよいよここまで来ましたね!では勉強会へ🍀🍀

 

 

10月13日(水)21時~

左室流入速波形(left ventricular inflow velocity pattern:LVIF)

 

拡張期に開放した僧房弁の先端にサンプルボリュームを置き、

E波(拡張早期波)とA波(心房収縮期波)を得ることで

左室の拡張能を評価する重要な指標を得ることができます。

 

 

【パルスドプラ法は特定の部位の血流速度を知りたい際に使用】

‡ ➝ サンプルボリューム内を通過する血流の速度を測定することができる。

①機械にあるPWのボタンをおす。

②〓 サンプルボリュームの幅を4~5㎜に設定し、拡張期に開放した僧房弁の先端レベルに置く。

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左室流入速波形




心電図のT波の後に出る上向きの波形がE波で、左室が血液を取り込む波形を反映し(拡張早期)

 

心電図のP波の時に出る上向きの波形がA波となり、左房が血液を押し出す時の波形となります(心房収縮期)

 

サンプルボリュームの位置が適切な位置より左室側にあるとE波が高くなり、

左房側にあるとA波が高くなり計測値に誤差が出てきます。

角度は測定したい血流に対して平行になるようにする。斜めになると過小評価となります。

 

波形にノイズや毛羽立ちがないように注意。ゲインの調整やサンプルボリュームを適切な場所に移動するなど工夫する。

 

5chamber viewになってるとAo側の流速も拾ってしまうので注意。

 

【指標を用いることができるか】

・洞調律◎

・心房細動、心房粗動などの不整脈×

・左房機能が低下している×

・僧房弁弁膜症がない◎

・僧房弁の高度石灰化、狭窄×

・高度の僧房弁逆流×

 

 

 

 

 

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左室流入速波形

OK

 




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OK

 

 


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OK

 

 


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OK

波形のほうのゲインをもう少し上げるとよい

 


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OK

 


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OK

 

 


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波形にノイズがある

毛羽立ちは測定しないように

サンプルボリュームが弁から離れているので、もう少し弁に近づける。

血流方向とドプラビームに角度がついてるので、流入波形のドプラ血流と平行になるようにする。

 

 

🍀先生からの補足🍀

E/Aが1以上ならば弛緩障害は無いかor中等度以上の弛緩障害があります。

他の手法で弛緩障害がありそうならば、バルサルバ負荷を掛けながら、E/Aを記録する。A波とE波の関係が変わらなければ弛緩障害はない。E波よりA波が高くなるようならば、中等度以上の弛緩障害を示唆します。

Mモードでの左室後壁の動きが収縮時のようにゆっくりならば、Dctが長くなります。正常値は本によって違いますが、大体160〜230msです。コンプライアンスの低下が疑われます。更にA波の幅は140ms以下。長いようならば、左房負荷が伺えます。左房圧は左室拡張末期圧と一致します。

拡張能は弛緩障害が最大。左房圧(左室拡張末期圧)。コンプライアンスの低下で評価します。

 

 

🍀画像の提出ありがとうございました🍀

次回は10月27日(水)21時~ です。

組織ドプラE/e´ と TRの計測の写真をお願いします(•ᵕᴗᵕ•)

 

※追記

左室流入速波形E/Aで どちらがE波でどちらがA波か迷うときは。。。

心房細動のときにE波しか確認できないときと

E波とA波の間にL波がみえるとき

等が考えられます。

通常は拡張早期のE波、心房収縮期のA波の二峰性ですが、拡張中期にL波を認めることがあります。

正常な人でも徐脈のときに低速度のL波を認めることがありますが、病的なものとして

速度が20㎝/s以上のものは、左室拡張能の遅延や左室充満圧の上昇を意味すると言われています。

 

L-wave

Triphasic mitral inflow

Middiastolic flow

などと言われます。

 

左房の充満圧が上昇していなくても、病的に減少した左室の能動的拡張能が左室の増加したstiffnessとともに拡張期の左房-左室圧較差の振動を起こす。これがL波となって拡張停止中に左房から左室への血流として感知されるそうです。

病的なL波は能動的拡張が遅延し、左室のstiffnessが増加した患者でみられ、臨床的な心不全・収縮能正常な左室肥大・左室収縮能不全患者でみられるそうです。左室前負荷の上昇を示唆するということになります。

 

 

 

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左室流入速波形



 

 

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腹部エコー。肝臓の低エコー腫瘤。肝血管腫のエコー像。

今回は6年ほど前から肝血管腫をフォローしてる方の画像になります。

やや粗い背景肝に低エコーの腫瘤を認めます。

 

前回の検査までは周囲に高エコー帯を認めてましたが、今回は周囲の高エコー帯がやや不明瞭でした。⇩

youtu.be

 

周囲には嚢胞が数ケ見られます。

造影CTでは分葉状の腫瘤なのですが、エコーではあまり分葉状には見えませんね💦

血管腫はスポンジのように柔らかいといわれるので、形が変わりやすいのか ただ描出できていないだけなのか。。。でも毎回、エコーではこんな形で見えます。

S8に約3㎝の大きさとの事。

血管腫のフォローで検査依頼なので血管腫なんでしょうが、何も情報がない状態でこの画像に出会ったら、「血管腫の所見です!」なんて書けないなぁと感じた症例でした。

 

 

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肝の低エコー腫瘤

 

動画をみていただきました🍀

まず、場所。。

S8でいいですか??

右肝静脈基部のわずかに頭側っぽいのでS8でいいのでは?

肝区域に自信ないので区域はっきり書ける人、尊敬します🍀👀✨

鑑別として

・肝内胆管癌

(腫瘤の境界部に高輝度な縁取りがありそう&膨張性に発育してなさそう&何となくブルズアイなきがする➡グリソン鞘内の腫瘍??)

・複雑嚢胞

・転移性肝腫瘍

などがあがってきました。

血管腫ということで➡拡大での微細な嚢胞様構造は血管だったのでしょう

 

【グリソン鞘(しょう)】

肝臓の形態を維持する支持組織(結合組織)肝小葉を物理的に支持する。

小葉間静脈、小葉間動脈、小葉間胆管、リンパ管、末梢神経などを束ねる結合織。

 

グリソン鞘と肝小葉との境界は限界板とよばれ正常肝では明瞭ですが、種々の肝障害ではグリソン鞘を中心とした炎症が起こり、隣接した小葉内の結合織が線維化し小葉との境界が不明瞭になってしまいます。

線維化したグリソン鞘により輝点が協調され内部エコーが粗く見え、大小不揃いな小葉のため不均一なスペックルパターンに見えてくるそうです。

 

実質エコー粗造・粗糙・粗雑。。。。。

施設によって書き方が若干違ってきますが、装置の設定や検者の主観で評価が変わってきます。

この画像では肝静脈の走行がスムーズなので粗くないのでは?

血管壁の薄い肝静脈は、肝臓実質の線維化により影響を受けやすいので、肝静脈の走行がスムーズではない場合、確実に粗糙化があると判断できるんですね📝

 

 

 

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心エコーMモード。左室計測レベル。

経胸壁心エコー

Mモード左室計測レベル

 

9月29日(水)21時~

 

・きるべきMモードのラインは弁尖が入らない乳頭筋レベルより心基部寄り

心室中隔と後壁の収縮のタイミングは一致しているか

・壁は収縮時に厚くなっているか

・心嚢液の貯留はないか

 

綺麗な長軸像を描出し、そこからプローブをやや左に傾け 外側へ向けると

中隔と後壁に垂直にMモードのラインを入れることができます。

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左室Mモード

収縮末期に中隔は2段階に収縮し(①と②)、通常①の方が大きな収縮になります。

(左室と右室の収縮時相がややずれているため)

左脚ブロックやMモードのビームが斜め入射の時など②の収縮の方が大きくなります。

後壁は収縮時にゆっくり収縮し、拡張時にすばやく拡張していて コンプライアンスの低下は見られない。(収縮の山が対称になっていればコンプライアンスの低下が考えられる)

 

 

 

 

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左室Mモード

Mモードのラインが、やや中隔と後壁に垂直に入っていないので

もう少しプローブを左へ傾ける。

右室の壁と中隔の壁の鑑別がしやすいようにSTCを調節する。

 

 

 


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Mモードのビームは少し斜めに入っているので胸骨から離す。

後壁のゲインが高く白いので、STCで中隔と同じ明るさになるように調整する。

 

 


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Mモードは垂直に入っている*OK

後壁のゲインが高いのでSTCで調整する。

 

 


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Mモードは垂直に入っている*OK

後壁と外膜の区別がつけにくいのでSTCで調節してゲインを少し下げる。

 


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プローブを少し左に倒して、もう少しMモードのラインを心基部側へ。

後壁のゲインを調整し中隔の明るさにあわせる。

 

 

 


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OK

 

 


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OK

Mモードのスイープスピードをはやめると正確さが増す。

 

 

次回は左室流入血流速波形でE波とA波です🍀

10月13日(水)21時~

よろしくお願いします(•ᵕᴗᵕ•)

 

 

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腹腔内膿瘍。右下腹部膿瘍。心窩部痛。右下腹部痛。発熱。虫垂炎。

朝夕だいぶ涼しくなりました。

彼岸花が例年より少し早めに咲いてる気がしてます。気のせいかもですが💦

彼岸花は別名、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、学名リコリスというそうです。カワ(・∀・)イイ!!

中国大陸が原産とのこと。球根に毒があるそうなので食べる時に注意ですw

白い彼岸花は九州に多いそうです。


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さて今回は虫垂炎と周囲膿瘍の画像です。

 

 

 

約1週間前から心窩部痛あり。

3日前より、右下腹部痛、発熱あり来院。

虫垂炎疑いでエコー検査依頼。

 

 

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膿瘍

右下腹部に膿瘍が見られました。

膿瘍周囲には浮腫した回腸が見られます。

膿瘍といえばドロドロしてるのを想像しますが、今回は包まれたように丸いイメージでした。

 

 

youtu.be

 

虫垂の起始部ではやや盲腸側に陥入してるように見えました。

盲腸も浮腫が強く腫大してる印象でしたが、どれくらいの大きさから腫大と表現するんでしょうか?。。。

 

虫垂の起始部はこんな感じのイメージです⇩

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盲腸~虫垂

 

虫垂の先端を探していると、途中で壁が穿孔し膿瘍と連続しています。

 

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虫垂穿孔部



CTでは盲腸壁の肥厚があり、虫垂起始部に腫瘤が疑われました。

病理では虫垂根部の粘膜~盲腸粘膜に高度の細胞異型・構造異型を伴う管状腺腫がみられます。と記載されてました。

 

虫垂炎と連続する膿瘍ばかり気になっていて、盲腸側の観察ができてなかったと反省した症例でした。

 

 

 

 

【腹腔内膿瘍】

膿瘍は蜂窩織炎の領域、または白血球が集積する組織障害で発生し、膿汁または周囲細胞の壊死による進行性の組織剥離により拡大。血管新生の盛んな結合組織によって、壊死細胞・白血球・残屑(ざんせつ)の周囲に隔壁が形成され それ以上の拡大が阻止されることもある。

 

手術後

外傷後

腹腔内の感染・腫れ

胆嚢炎・虫垂炎・憩室炎・膵炎・消化管穿孔などの臓器の炎症

がん・潰瘍などでの損傷で腸穿孔

 

などに続いて形成される。

 

術後の膿瘍は手術後2~3週間 または数カ月後まで出現しない場合があるそうです。

 

治癒には排膿を要するのが通常で、排膿なしでの抗菌薬は無効に終わるそうです。

自然に破裂して排膿したり、慢性的な排膿を伴う瘻孔を形成したり、排膿しない場合 膿のタンパク質分解により液体が生じ血流中に吸収されることで膿瘍が徐々に消失することもあり、吸収が不完全に終わると線維性の隔壁内に嚢胞性の小胞が残存して石灰化することがあるそうです。

 

今回も被包化されてたんですね。

 

〓 症状 〓

発熱・腹痛・圧痛・吐き気・食欲不振

 

横隔膜下膿瘍:腹腔内に細菌を含んだ液体が流れ出し(虫垂の破裂など)腹部臓器の圧力で上に押されたり、呼吸時の横隔膜の上下動で吸い上げられたりして形成。乾いた咳・呼吸時の痛み・胸痛・片方の肩の痛み(関連痛:肩と横隔膜が同じ神経を共有しているため)などの症状。

 

骨盤内膿瘍:腸の疾患・婦人科の感染症を原因として生じる。腹痛・下痢・膀胱刺激による尿意や頻尿。

 

後腹膜膿瘍:腸の疾患、膵炎。腰痛

 

膵の膿瘍:急性膵炎の発作後。膵炎が回復して1週間以上経過した後に発熱・腹痛・吐き気・嘔吐などの症状

 

肝膿瘍:細菌性(胆嚢炎、外傷、腹部感染症など)

アメーバ(腸に感染したアメーバが血管を通って肝臓へ)

食欲不振・吐き気・発熱

 

 

 

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超音波検査(エコー検査) - らぴゅたった

 

心エコーMモード。僧帽弁レベル。

経胸壁心エコー

Mモード僧帽弁レベル。

 

9月15日(水)21時~

 

・AMLとPMLの両方の弁尖の断面を捉えているか?可動性は良好か?

PML(僧帽弁後尖)の弁尖を捉えるのが難しい。。。

 

・弁に震えはないか?

fluttering(フラッタリング):大動脈弁逆流血が僧帽弁前尖(AML)に当たって振動する。

afの時にも緩やかにふるえる。

腱索断裂時。

 

・EPSSは5㎜あるか?

5㎜未満の場合、流出路が狭い。

ボリューム不足や非対称性中隔肥大

 

・SAM、B-B´stepはないか?

SAM(systolic anterior movement):僧帽弁前尖の収縮期前方運動。

収縮期にAML(僧帽弁前尖)が心室中隔側へ動く現象。

左室流出路狭窄例に多く観察される。

非対称性中隔肥大(ASH)・肥大型閉塞性心筋症(HOCM)・S字中隔

 

B-B´step

僧帽弁閉鎖の前にでるノッチ。

僧帽弁MモードのA-C間(A派の下行脚)に生じる棚で、左室拡張障害に伴い出現。

左室拡張末期圧の上昇を意味する。

Ⅰ度房室ブロックや徐脈時にも見られる。

 

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B-Bstep SAM

 

 

・AMLとPMLの接合はずれてないか?

僧帽弁の逸脱

(逸脱部位診断には多断面からの観察が必要)

 

 

🍀先生からの補足🍀腱索

部分断裂
Torn chordeaeにはMモードにしたら
IIIIIIIというようなストライプが出る事がある。harmonic striped patternと言い部分断裂の証拠です。ただ最近の機器は性能が良くなり、出にくくなった。palseの発振スピードより、切れた腱索の震えるスピードが早いとこうなる。

全断裂ruptured chorder tendineaeに近いと弁がLAに入り込むようになる。

🍀ありがとうございました🙌🏻💕🍀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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僧帽弁レベルMモード

 

 


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PMLの弁尖にMモードの線が当たってないので やや左側へ。

もう一肋間上からの描出を試してみると、Aoと左室の角度が付かず綺麗な長軸になる。

EPSSが5㎜無いのは斜めに入っているから。

 

 

 


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Mモードの線が弁腹を通ってる。

 

 


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ゲインが高くPMLと左室後壁がMモードで判別できない

 

 


f:id:Rapyutatta:20210914151234j:image

AMLは弁尖をとらえてるのでOK

PMLは弁腹をとらえてるので少しプローブを左に傾ける

肋間の高さはOK

 


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PMLの弁尖がとらえられてないので、やや胸骨に寄ってガイドを少し左へ

Mモードのゲインが高いので左室後壁とPMLの区別がわかりにくい

長軸のAoが見えてない

 

f:id:Rapyutatta:20210915164514j:image

 

BモードでAo・LAがよく見えていない

 

 

画像の提出ありがとうございました(•ᵕᴗᵕ•)

次回は9月29日(水)21時~

左室のMモードです。‪ついにEF( 'ω' و(و "フリフリ‬

 

 

 

9月24日(金)21時~は心エコー超音波テキスト3版を先生と一緒に朗読です。

一人で読むと難しいと感じる人。読むのを途中で断念する人etcなどこの機会に一緒にいかかですか(*´∀`*)??

 

勉強会で使用している教科書はこちら⇩

心臓超音波テキスト 第3版

 

[http://心臓超音波テキスト 第3版]

 

 

 

 

【Bモードでみる僧帽弁】

・弁の開放制限はないか?

・EPSSは保たれているか?

・AMLのdomingはないか?

・弁の逸脱はないか?

・弁の器質的な変化はないか?(石灰化や浮腫等)

・弁に付着する疣贅はないか?

・逆流は?その方向は??

 

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腹部エコー。心窩部縦走査。肝の腫瘤性病変。膵臓の腫瘤性病変。

腹部エコー。

私の施設で最初に撮影する画像は心窩部縦走査での肝左葉。

皆さんの施設ではスタートはどの断面ですか??

 

 

 

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心窩部縦走査

沢山の情報を得ることのできる一枚ですよね。

エコー習い始めたころは、この一枚を撮るのにも必死で臓器の中まで目が向かなかったり、周囲の情報を見逃したりしていました。

 

 

 

 

今回はエコー習いたての方が見落としていた症例になります。

 

新患。心窩部痛でエコー検査依頼。高齢の方です。

心窩部縦走査での一枚はこの画像を残してくれてました⇩

左側の画像になります。

 

 

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肝臓の表面がやや突出しています。

検査している本人は気が付いてませんでした。

 

確認時の動画になります⇩

肝左葉に低エコーの腫瘤が2つ確認できます。

肝細胞癌??転移性肝腫瘍??はたまた違う腫瘤??

 

 

youtu.be

 

全体の動画になります⇩

 

youtu.be

 

膵臓に腫瘤が見られ、肝に多数の腫瘤が見られました。動画では肝左葉だけですが右葉内にも数ケ認められ、転移性の肝腫瘍をすぐ考えてしまいましたが。。。肝左葉の辺縁にある腫瘍は突出しています。これを最初に発見してると、肝細胞癌を考えたと思います。

造影CTでこの肝左葉の腫瘤について見てもらいましたが、動脈相での染まりは腫瘤の被膜のみで腫瘤は造影されていないため転移性との事でした。一緒に見ましたが、普通に黒かったですw

 

最初に検査した人は膵臓も何かいつも見る感じとは違うと思ったそうですが、腫瘤とは思わなかったそうです。全体がゴツゴツしててわかりにくかったみたいです。

 

検査の最初の一枚にもどります⇩

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ここに写ってたのが膵臓です。一枚の画像で2つの所見を得ていましたが、写真を撮ることに気を取られ情報を逃してしまっていました。

膵癌と肝転移になります。

 

綺麗な画像を残すことは大切です。そしてその画像を残しつつ、見えている臓器や周辺の組織にも目をむけ評価していくことがさらに大切になってきます。「あれ?いつもと違うなぁ」と感じた時はその部位をじっくり色んな設定で見ていくと だんだん見えてくるものがあると思います。

 

心窩部縦走査には、肝左葉・膵臓・胃・大動脈・下大静脈・上腸間膜動脈…などなど

沢山の情報が埋まってます。ぜひ発掘していってください。

 

 

 

 

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