らぴゅたった

解像度が低いエコー機械でも…

心エコー。組織ドプラ法(tissue Doppler imaging)。e´(eプライム)。E/e´。

組織ドプラ法(tissue Doppler imaging):TDI

 

E波・A波と一緒に覚えていきたいのはこちらっ(*´∀`*)ノ。組織ドプラ法。

心筋に色をつけて測定するあれです。笑

では、よろしくお願いします(•ᵕᴗᵕ•)

 

10月27日(水)21時~

 

 

 

 

パルスドプラ法を心臓組織に応用したもの。

僧房弁輪運動速波形を用い、拡張能の評価や予後の推定が可能

 

組織ドプラ法モード(TDI)に切り替え、サンプルボリュームの幅を10㎜程度に広めに設定し、僧房弁輪部に置いて波形を記録する。

僧房弁輪部の動きとパルスドプラ法のビーム方向が平行でないとe´は過小評価となる。

毛羽立ちやスパイクがないようにフィルタとゲインを低めに設定する。

 

心筋壁からの波形は主として3峰性で、収縮期波(Sw)・拡張早期波(Ew)・心房収縮期波(Aw)から構成されている。

他に等容収縮期(ICTw)等容拡張期(IRTw)の波形も観察される。

 

心室が収縮しているときを収縮期、弛緩しているときを拡張期といいます。)

(収縮期は等容性収縮期駆出期、拡張期は等容性弛緩期充満期に分けられます。)

 

 

 

 

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組織ドプラ法 中隔

 

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組織ドプラ法 側壁

e´の前に少し小さな波形がでるので、それと間違えないようにすること。
側壁の方が波形が大きくなる(中隔は右心により動きが抑えられるため)。

中隔と側壁、両方計測して平均する。

二腔像にすると下壁と前壁側も計測できる。

 

 


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OK。もう少し弁輪部にサンプルボリュームを置くようにする。


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OK。側壁はドプラガイドと角度に差があるので少し画像を調整する。

 

 


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OK。側壁は弁にサンプルボリュームがあるのでもう少し外側へ。

 


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Bモードで組織以外にも色がついているので、ゲインを下げる。

側壁側は角度がついているので画像を調整する。

 

 

 

 

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先生質問\ハーイ/

e’の前にでてくる小さな波形は何を意味してるのですか(・・?)

 

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

 

e'の前にあるのは等容拡張期。a'の後にあるのは等容収縮期です。

s波は弁輪部が、心尖部方向へ動く様子を反映している。

つまり、良く見れば心臓の予備能を知ることが出来る。

ある意味、心不全の心臓の何が知りたいのか?それは予備能が保たれているのか否か?ですね。


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普通それはTei indexで測りますが、正常値の幅が狭すぎる。効率よく等容拡張期や収縮期を測れれば、みんなそれに飛びつくと思います。

心拍が120を超えると等容拡張期は無くなる。詰まりは予備能がなくなり、だんだんと心不全に傾いて行く。

皆さん、心予備能を少し調べてごらん..

実はAo、LAをMモードで切る時,、心拍数の高い人は難なく記録出来るが、健全な人は弁輪が上へ動いて切り難いやろ?皆んな等容拡張期を見ようとしてるんよ。

 

 

左室心筋は心外膜側と心内膜側の斜走筋、中間層の輪状筋の3層構造を呈する。左室短軸断面での左室内径短縮率は主に輪状筋の機能を評価している。一方、多くの心筋病変では心内膜下に病変が出現し、その後、心外膜側に及ぶ。この考えに従うと、心内膜側の長軸機能解析は「左室機能障害の早期発見」に有用である。

弁輪部は収縮期に心尖部へ移動し(s′波)、拡張期には拡張早期と心房収縮期に2峰性に心基部側へ移動する(e′波およびa′波)。

a′波とs′波の間には2相性の小さな波形を認め、等容性収縮期(isovolumic contraction time: ICT)に相当する。

また、s′波とe′波の間にも2相性の波形を認め、等容性拡張期(isovolumic relaxation time: IRT)にあたる。

 

TDIによる心機能分析には以下のような多くの利点がある。

i)e′波は前負荷の影響を比較的受けにくい。
ii)断層画面が不鮮明な症例でも良好な分析ができる。
iii)時間分解能が3~4 msecと極めて良い。
iv)左室内径短縮率では得られない長軸方向の心機能を評価できる。
v)通常の心エコー装置で解析可能である。

 

欠点としては
i)角度依存性である。
ii)心臓全体の動きや周辺組織の収縮の影響を受ける(tethering)。
iii)局所壁運動異常がある場合には心室全体の心機能を反映しない。

などが挙げられる

 

★解析に適した記録を得るためのコツ

まず弁輪の運動方向とドプラカーソルはできるだけ平行に設定する。

また、良好なドプラ波形を検出できるように、サンプルボリューム幅はやや広めとする。

ドプラゲインは可及的に下げスペクトル包絡線(envelop)が認識できる記録が望ましい。

ゲインを上げすぎるとノイズを拾い運動速度を過大評価するばかりでなく、時相解析が困難になるからである。

最後に、低速の運動速度を記録するためドプラフィルターは可及的に低く設定する。

 

Tei indexは収縮能低下も拡張能低下も反映する総合的な心機能の指標である。

正常値は右室では 0.28±0.04 であり、左室では 0.38±0.04 である。右室では 0.40 以上が、左室で は 0.45 以上が異常である。

 

 


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等容性収縮期
心室の収縮が始まる段階。心室内圧は上昇し、すべての弁は閉じる。血液に動きはない。

等容性拡張期 
心室筋が弛緩して拡張が始まる段階。血液が動脈へと流れ出た後、心室圧は低下する。心室圧が動脈圧を下回ると、すべての弁が閉じる。心房には血液が流れ込み始める。

 

等容拡張(弛緩)時間は左室の拡張機能障害の程度を測る指標となる。

等容弛緩時間の延長は心筋の拡張能の低下を表す。正常範囲はおよそ70±12ミリ秒で、40代以上の年齢では更に10ミリ秒程度長くなる。左室拡張能に障害がある場合は、時として110ミリ秒を超えるまで延長することがある。

但し左室流入血流の拘束型流入波形(restrictive ventricular filling)を認める場合は、等容弛緩時間は通常60ミリ秒以下である。

 

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ありがとうございました(*´∀`人)

次回は11月10日(水)21時~

下大静脈とPRの画像をおねがいします(•ᵕᴗᵕ•)

 

 

 

勉強会で使用していた教科書はこちら⇩

心臓超音波テキスト 第3版

 

 

[http://心臓超音波テキスト 第3版]

 

 

 

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