らぴゅたった

解像度が低いエコー機械でも…

心エコー。左室流出路での1回拍出量(SV)と心拍出量(CO)の計測。CIとは。

11月24日(水)21時~

 

左室1回拍出量(SV)と心拍出量(CO)の推定

EFを計測しても勝手にSVやCOが計算されますが、それが正しい値なのか??

と思うときにこちらの計測を🌱

 

カラードプラで左室駆出血流を出す🐣

PW(パルスドプラ法)で大動脈弁直下の左室流出路中央にサンプルボリュームをおく🐣

(血流と平行になるように注意する)

左室流出路の径をはかる

左室流出路を拡大表示する🐣

後ろ側のバルサルバ洞のふくらみが描出されない断面をだす🐣

大動脈弁最大開放時相で行う🐣収縮早期~中期の大動脈弁が最も大きく開放した後のフレームを選択する🐣

 

 

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左室流出路径

 

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左室流出路血流速波形




 

上の写真では、SV 72.9ml CO 3.7L/minと表示されています。

 

 

1回拍出量(SV:Stroke Volume):基準値は、60~130ml

心拍出量(CO:Cardiac Output):1回拍出量✖心拍数 L/min

 

そして心拍出量(CO)を体表面積で補正して得られる数字が心係数(CI:cardiac index)で血行動態学を把握する指標の一つとなっています。

 

心係数(L/min/m2)
=心拍出量(L/min)/体表面積(m2)
=1回拍出量×心拍数/体表面積 (m2)

 

心係数の正常値は、安静時で2.3~4.2 L/min/m2程度で、

2.2以下で末梢循環不全、1.8以下で心原性ショックに陥る可能性があると言われています。

機械に身長と体重を入力して検査すると計算してくれるはずです🍀

大切な数字ですのでぜひ計測してみてください🍀

 

そしてこの二つを測定すると、もうあと1ステップで

僧房弁の弁口面積

大動脈弁の弁口面積が計測できます。

 

www.rapyutatta.me

 

www.rapyutatta.me

 

 

 

 

 

SV 32.1ml

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SV 36.8ml

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SV 50.6ml

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🍀🍀🍀先生からの補足🍀🍀🍀
今回の①~③までのSVは低値で、EFを測定する時に算出されるSVとCOの値がそのまま掲載されてる可能性があるので、機械の設定を確認してみてください。

 

左心(心臓の左側)は、右心から肺へ送り出された血液が再び心臓に戻ってくる場所です。そして、肺から戻ってきた血液は左心から全身に送り出されます。左心不全では肺に血液が溜まり(肺うっ血)、やがて肺が水浸しの状態(肺水腫)になるため、呼吸困難になります。また、心不全によって心臓の拍動が弱まると、心臓から押し出される血液の量が減ってしまうため、疲れやすくなったり、手足が冷えたり、全身に様々な影響を及ぼします。

 

具体的な症状としては、

動悸
疲労感(疲労を感じやすくなる)
低血圧
冷や汗
四肢チアノーゼ(手足の末端の血色が悪く、青白くなる)
意識障害(脳に十分な酸素が行き届かなくなるため)
乏尿(ぼうにょう・尿の量が1日400ml以下になる)
などがあげられます。

 

EFが低い人でも、平気で生活する人は案外たくさんいます。それは左室が広がり(リモデリング)により心拍出量(CO)が保たれるからです。

しかし、それは左心不全の入り口でもあります。従って、左室の腔の大きさ、一回拍出量は最大限に正確なデータであるべきです。毎回心臓までカテーテルを入れて圧を測るわけには行かないが、心エコーでそれらを測れる場合はどれだけ生命予後を知れる事でしょう。

 


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次回は12月8日(水)21時~

肺体血流比(Qp/Qs)の計測です。

よろしくお願いします(•ᵕᴗᵕ•)

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