らぴゅたった

解像度が低いエコー機械でも…

心エコー。冠動静脈瘻。

今日の心エコーの勉強会は先生からです。(-ロдロ-)ゞ

たまにカラードプラが少しだけ変なところから見えるときはこんな時かも??!!!( ゚д゚)ハッ!!!!って思いました。ではではさっそく。5月18日(水)21時~。| •ᴗ• )っドゾッ

 

「冠動静脈瘻」

冠動脈は、冠静脈→冠静脈洞を経てRAへ還流している。が、時にとはいえ結構な比率で、途中PA>RA>RV>LVに短絡している事がある。大抵は、短絡量が少なく病的意義が小さいので、無罪放免で済むのですが、大量に短絡する場合は、そして還流先次第では治療の対象になります。

右心系へ還流する場合はやはり、ASDやVSDのように、RVHになりますし、平低T波になります。他にも、だんだん右心負荷が高くなると右房負荷の尖った大きなP波を来たす。更に慢性的に負荷が高いと心不全状態が続く為、たっぷりな心嚢液の為、胸部低電位になったり、心嚢液の中で心臓が動き回る為に不確定軸、QRSが高かったり、低かったりします。これをSwing heartと言います。

一般的には、心電図を起点として見つかる所見ではありません。普通はエコーや冠動脈造影でみつかるのです。基本。fistulaがある冠動脈は太くて縮れています。造影すると、短絡する血流も良く見えます。しかし普通の人には冠動脈造影なんて出来ない。これは心筋梗塞の人への検査です。

で、普通はエコーで見つかる事が1番多い。しかし、全ては見つけることは出来ない。文献によると、心尖部肥大型心筋症の人の400人に1人はLVへのfistulaがあるとされている。
実際、四腔断層像で心尖部肥大型心筋症をよく見ていると、心尖部心筋中にモヤモヤした血流を見る事を案外多数見る。これがエコーで1番よく見つかる冠動静脈漏です。

それ以外のfistula勿論もっと多い筈なんだが、中々見つけ出すには至らない。ほんのちょっとした異常をしかも、稀な所見を見つける目を持つのは凄く大変な哲学が必要な気がする。いつものようにチョイチョイと撮っていては多分見つからない。キチンと探す目と意識の持久力が必要なんだと思う。

心エコー時に、前負荷所見がないのに、何故かしら右室が大きく見えるとか、意味不明の連続性の雑音とかがあれば、一応はQp/Qs肺体シャント比を求めてみるのは必要かもね。ただ、これは4ステップの計測が必要です。3回測って平均でも再現性は保てない(私の技術では)。

見えてきましたか?心電図でそこまで読むのはいけない。over readingです。エコーの一回計測での報告はshort readingです。キチンと丁寧に測った心エコーで推測するような所見です。心電図はそれを裏付けるデータとしては非常に有効な手段なんだと思います。裏付ける、除外がしっかりなされたデータは信頼性が高い。

本症の90%までは、比較的短絡が少なく、肺/体血流量比は2以下である。この場合には肺動脈圧、右心圧は正常である。短絡が多く肺高血圧を合併する場合には乳児期に多呼吸、体重増加不良などの心不全の症状を生じる。短絽が少ない場合には小児期には心臓の雑音を呈するだけで、特別の症状はない。

しかし成人、特に40歳過ぎになると労作時の呼吸困難や疲労心不全の症状などが増加する。雑音は通常連続性雑音が胸骨下部左縁(右室に開口する場合)または、右縁(右房に開口する場合)にきかれる。左室に開口する場合には主に拡張期雑音がきかれる。脈拍はboundingに触れる。時に胸痛などの虚血症状がみられる。

診断
【胸部エックス線所見】
心拡大を認めることがある。
【心電図】
T波の平低化や、ST低下を認めることがある。
【心エコー図】
心エコーでは、拡大した冠動脈を認める。シャント量が多ければ心腔の拡大がみられることがある。心機能低下は稀である。
【心臓カテーテル・造影所見】
大動脈または選択的冠動脈造影で拡大、蛇行した冠動脈と還流部位を同定することができる。
【CT所見】
蛇行した冠動脈と還流部位を同定することができる。
【鑑別診断】
通常は連続性雑音で発見される。したがって連続性雑音を呈する動脈管開存症心室中隔欠損兼大動脈弁閉鎖不全、Valsalva洞動脈瘤の破裂、肺または他の動脈瘻、大動脈肺動脈中隔欠損、その他を鑑別診断するべきである。

 

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