4月27日(水)21時~
こんばんは☽・:*。今日は大動脈弁閉鎖不全症について、重症度評価方法を見ていきます🍀🍀
まず・・・
大動脈弁閉鎖不全症を見つけたら。。。
・急性か慢性かの鑑別
・重症度評価
・成因
・左室機能の評価。(左室肥大、左室拡張)
などを確認していきます。
大動脈弁閉鎖不全の成因は、大動脈の基部に原因があるものと、弁自体に原因があるものに大別されます。
基部や弁をしっかり観察します。(見えない時もありますけど( ˘•ω•˘ ).。oஇ)
僧帽弁は逸脱症例に出会いますが、大動脈弁の逸脱は稀です。成因については次回、先生にお任せします笑
重症度評価については、たくさんの評価方法があります。『教科書通りには行かないんですけど!!笑』という、理想と現実www。
施設間での必要性の有無などで評価方法も変わってくると思います。
整形外科の骨折での術前検査や、心機能に異常がない高齢者などでは 体位変換できず描出不良のこともあり、綺麗な画像が得られないときがありますよね💦
循環器科が無い施設では、あまり定量的数字は求められていませんし、ルーチンで行う検査時間で定量的数字を誤差なくしっかり報告するのは至難の業…(っ ´-` c)マー
1回計測するだけでも時間がかかるのに、数回計測して確認するとなると逆流の評価だけでルーチンの検査時間が終わっちゃいそうですww
重症度評価は定性的なものと、定量的なものがあります。
【定性重症度評価】
・カラードプラ法による逆流シグナル
左室内への到達度による評価:僧帽弁前尖の先端までの逆流を軽度。
左室乳頭筋までの逆流を中等度。心尖部まで到達する逆流を高度と判定する。
施設によってはⅠ度~Ⅳ度として評価しているところもあります。
→偏位した逆流だと過小評価される。
→左室拡張末期圧の上昇が示唆される病態では過小評価される。
吸い込み血流シグナルによる評価:吸い込み血流シグナルを認めたら中等度以上と考える。
→見えないときもある。
vena contracta幅による評価:傍胸骨長軸像での大動脈弁直下の逆流ジェット幅が最も細い部位を計測。
3mm未満を軽症。6mm以上を重症。
→経胸壁心エコーでは困難なことが多い。
→複数方向の逆流ジェットでは評価できない。
左室流出路での逆流ジェットの幅と面積:vena contractaより1mm以内の左室流出路で計測する。面積は同部位の短軸像で計測する。
逆流ジェット幅/左室流出路径(%):25%未満を軽症。65%以上を重症。
逆流ジェット面積/左室流出路面積(%):5%未満を軽症。60%以上を重症。
→偏位した逆流や複数方向のものでは不正確になる。
・PHT(圧半減時間):逆流ジェットに対して平行にCWのビームをあてる。500msecより延長していれば軽症。200msecより短縮していれば重症。
→左室のコンプライアンスが良好な症例ではPHTが200msec未満まで短縮しない場合が多い。また左室拡張末期圧が上昇している病態では軽度のARでも短縮する。
・下行大動脈、腹部大動脈の血流波形:PWにて下行大動脈内に全拡張期にわたる逆行性血流ときは中等症。腹部大動脈までみられる時は重症。
→動脈硬化、動脈管開存、冠動脈瘻では評価できない。
【定量的重症度評価】
・volumetric法:大動脈弁から駆出される1回拍出量と、僧帽弁から流入する1回拍出量の差から逆流量(RV)を求める。
逆流量(RV)ml=AVSV-MVSV
逆流率(RF)% =(RV÷AVSV)×100
→複数の計測があり、誤差要因が多い。中等度以上のMRがある場合やシャント疾患を伴う例では評価できない。
→逆流弁口が僧帽弁より小さく精度の高い評価が難しい。
僧帽弁逆流のPISA法より難易度が高いので、計測の練習は僧帽弁逆流で行ったほうがいいかもです。
慢性の大動脈弁逆流では、左室駆出率と左室拡大の変化が手術適応に対する情報として重要となってきます。逆流の評価だけでなく左室の評価も前回と比較して観察していきます(*・ᴗ・*)و
上記の計測方法を知っていて使わないのと、知らずに使わないのとでは意味が大きく異なってきますので、時間があるときに是非一通り実践してみることをお勧めします🍀
最終的に、定量値では再現性や測定誤差、測定にかかる時間などを考慮してルーチン検査ではあまり使われていない施設もあるとの事でした。
最後に動画です⇩
逆流の到達距離とPHTの数字から、中等度くらいの大動脈弁逆流になるそうです。
超音波検査(エコー検査) - らぴゅたった (rapyutatta.me)
勉強会で使用している教科書はこちら⇩