マンモグラフィーでのスピキュラを伴う乳癌はエコーではどんなふうに描出されるのでしょう。
スピキュラとはマンモグラフィーの画像で腫瘤の辺縁に見られる棘状の線状影のことで、線維増生が強く周囲の組織を巻き込みながら浸潤性に発育する硬癌や浸潤性小葉癌に見られる特徴的な所見です。
腫瘤内部に線維化を伴う場合、線維の収縮により周囲の線維構造を牽引し、引っ張られた部位がスピキュラとして画像に見られるようになります。
マンモグラフィーでは腫瘤の細胞が多いと高濃度に、線維が多いと低濃度になるそうです。
エコーでは低エコーの腫瘤の周囲に淡い高エコー域として描出されます。
形状不整な低エコーの周囲との境界で、ぼんやりと高エコー域があり、とげとげした低エコーが入り混じった感じの画像になります。
腫瘤の径を計測する場合は、この境界部高エコーを含めて計測します。
エコーでは線維が多いと、後方エコーが減弱します。
エコー画像の静止画になります⇩
⇧ 脂肪層との境界部のほうが、境界部高エコー像(halo)がよくわかります。
周囲が高エコー(halo)になるのは、音響インピーダンスが極端に異なる2つ(脂肪と癌細胞)が細かく入り混じるため沢山の反射がおこり、haloが見られるようになります。
肝臓の腫瘤でのhaloとは低エコー帯のことをさすので、紛らわしいですね💦
動画になります。⇩
浸潤性乳管癌、硬性型のエコー像になります。今回は、腫瘤の低エコーよりも、境界部高エコーのほうが目立つ画像と思います。後方エコーの減弱も少ない印象です。
典型的なエコー所見としては、形状不整・縦横比が大きい・内部低エコー・後方エコー減弱。になります。
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