腎臓は骨盤の骨より少し上、左右の腰のあたりに位置する臓器です。
体液の量・電解質のバランス調整。血圧の調整。造血酵素の分泌。ビタミンD活性化によるカルシウムの調節などを行ってくれています。
原発性悪性腎腫瘍の約90~95%が 腎実質にできる腎細胞癌で、男女比は3:1で男性にやや多いそうです。
他に腎盂癌や、小児の腎実質にできるウィルムス腫瘍があります。
良性の腫瘍で頻度が高いのは腎血管筋脂肪腫で、5㎝以上の大きさになると自然破壊の可能性があり治療の対象となるそうです。
腎細胞癌の転移の部位は肺が最も多く、骨・脳・肝臓などにも認められるそうです。
5㎝以下の小さな癌ではほとんど症状がないため偶然発見されることが多く、腎がんの検出に有用な腫瘍マーカーはないため血液検査では発見することは困難です。
大きくなると血尿、疼痛、腹部のしこり、倦怠感、食欲不振、体重減少、貧血などの症状がでてきます。
腎細胞癌はいくつかの組織型に分けられますが、最も多くみられるのは""淡明細胞型腎細胞癌""で、腎細胞癌の70~85%を占めるそうです。
腎細胞癌
- 淡明細胞癌
- 乳頭状腎細胞癌
- 嫌色素性腎細胞癌
- 粘液管状紡錘細胞癌
- 集合管癌(ベリニ管癌)
- 転座型腎細胞癌
- 透析嚢胞由来腎細胞癌
良性の腎腫瘍として
- 腎血管筋脂肪腫
- オンコサイトーマ
- 低悪性度多房性嚢胞型淡明細胞
などがあるそうです
動画をいくつか載せていきます⇩
カラードプラかけてみますけど、いつも血流のらないのですぐ諦めますw
設定の問題なのですか??笑
腎細胞癌の約7割の組織型が淡明細胞癌で、充実性腫瘤の典型は
・円形~類円形
・高頻度で腫瘍内出血や壊死を伴う
・偽被膜(ハロー)の形成により辺縁低エコー帯が見られる
・内部は不均一で嚢胞壊死や石灰化を伴う
・カラードプラで腫瘤辺縁や内部に豊富なカラー表示(バスケットパターン)
といったエコー像が特徴です 。
嚢胞性病変では
・嚢胞壁の肥厚
・嚢胞内の隔壁
・嚢胞内腫瘤や石灰化
・カラードプラで充実部や隔壁に一致した豊富なカラー表示
といったエコー像が嚢胞性腎細胞癌の特徴的所見です。
初心者の頃は腎臓の綺麗な静止画を撮るのに必死で、やや離れたところに描出される腫瘤を見落とすので、腎臓が見えなくなるまでスキャンする習慣が必要です。
⇧エコーレベルが高いので少し分かり辛いですが、下極側の腸管ガスの近くに腎から突出するように描出されています。
腎血管筋脂肪腫のエコー像は
・CECと比較して高エコー
➡脂肪成分の少ないものは等~低エコーを呈す
・辺縁高エコー帯は見られない
・境界やや不明瞭で不整、深部エコーの減衰
➡サイズが大きくなると多重反射などによる腫瘤後方の輪郭不明や、後方エコー増強(尾引き像)が見られる
などがあります。
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