""前立腺肥大の有無"" でエコー検査依頼
今回は泌尿器科から、腹部エコーの依頼です。
最近調子は良いと言われてましたので自覚症状は特にないことになります。
膀胱内に小さな隆起性病変を認めました。前立腺の肥大は見られませんでした。
膀胱腫瘤が気になったので、泌尿器以外の領域も観察しました。
肝臓に腫瘍を見つけた時に悩むことは
肝細胞癌HCC?・転移性肝腫瘍??。。。ですよね💦
肝細胞癌の80%以上が肝硬変を合併。肝細胞癌の90%以上が肝炎ウイルスに感染。ということなので、カルテや本人から情報収集📝
動画では、肝内に高エコーの腫瘤を多数認めます。背景肝は肝疾患はなく綺麗な事、腫瘤が複数あり、高エコーであることから腸管からの転移かなぁと考えました。
≪胃癌・大腸がんの肝転移は腫瘤が大きくなるにつれ「低~等エコー」から「高および混合パターン」へとなり、辺縁低エコー帯を認めることが多い。後方エコーは不変なものが多い。
大腸癌の肝転移では腫瘍が大きくなるにつれて境界は粗い凹凸を呈する。≫((φ(・д・。)ホォホォ
ということで、大腸の観察を行いました。
大腸癌ができやすい部位は直腸とS状結腸で、全体の約70%を占めるとの事なので、
下降結腸からS状結腸を重点的に観察。。。S状結腸に壁肥厚を認めました。
大腸ファイバーで生検し病理提出し大腸癌と診断されました。
自覚症状がなくても高齢、糖尿病の方は定期的に検査を_(._.)_
転移性肝腫瘍
・肝臓は肝動脈と門脈の二重支配を受けているため、血行性転移は大腸・直腸・胃・膵臓からの門脈性肝転移と。。。腎・乳腺・肺・甲状腺・子宮・卵巣・膀胱・皮膚などからの経動脈性肝転移とに大別される。他、リンパ行性・直接浸潤。
・壊死を伴うことが多く、比較的早期から中心壊死などの所見が見られる。
(HCCと違い、よそから引っ越してきたので肝になじめず、大きくなればなるほど壊死や炎症がつよくなる)
・腫瘤が大きくなると、外周に低エコー帯が見られることが多い。(HCCのハローは線維性の被膜に相当するが、転移性腫瘍には明らかな線維性の被膜構造は存在しない)
・石灰化は直腸癌や胃癌などの消化器系の粘液産生性腺癌の転移で生じやすが、甲状腺髄様岩や肺癌、乳がん、腎癌、卵巣癌などでも認められることがある。
化学療法で石灰化が生じることもある。
・消化器系の腺癌(胃癌・大腸癌・膵癌・胆嚢癌・胆管癌)からの転移は壊死部に繊維成分を伴うことが多い。繊維成分の豊富な壊死部が肝表面に存在すると癌臍を形成し肝表面が陥凹する。