エコーをとり始めて間もない頃、正常とは違うことがわかっても、具体的にどんなところが、どのように…Ҩ(´-ω-`)?とわかるようになるまで時間がかかってました。
小児科があるので、小児の腹部エコーを検査する時が一番ドキドキしてました。件数もそんなになく、いつもは成人を検査してたので小児の腹部は未知の世界の印象でした。
そんな時に出会ったのが神経芽腫。大きな腫瘍でした。大きさを計測することしかできませんでした。。。。
どこ由来か?性状はどのようなものか?何が考えられるか?検査後に必死に調べても、検査中にしか得られない情報もたくさんあるので、知識を持って検査することはとても大切です🍀
大病院で症例がたくさんある、頼れる先輩や先生がいる施設では大丈夫でしょうが、クリニックや今から少人数でエコー検査をしていくような施設で働いている人は不安がいっぱいですよね💦
今回は副腎ってどんな風に見えるのですか?と聞かれたので副腎の画像になります。
副腎は腎臓の上に位置する小さな三角形の臓器で、左右一対ずつ腎臓の上の後腹膜にあります。
右副腎は肝臓、腎臓(右)下大静脈に。左副腎は脾臓、膵臓、腎臓(左)、腹部大動脈に囲まれています。約5㎝、5gほどの大きさで、腫大がないとエコーでは発見が難しいです。実際見えていても、副腎??かもねーって思ってますw
とても大切な臓器なんですけどね…🍀
本にのっている解剖などの図でみると、腎臓の上にのっかてる感じですが、やや背中側にあるので腎臓から離れたところに描出される時もある印象です。腎臓の長径を写真にとって満足してたら見落とすかもですw
腫大してくると肝臓の腫瘤と間違わないように注意です⚠️
肝臓とエコーレベルも実質も近いですよね💦
エコーレベルが高くなると、肝血管腫と間違えないように⤵︎ ︎
骨髄脂肪腫は非上皮性の腫瘍で、脂肪と骨髄成分を含みエコー検査では高エコーの腫瘤として描出されます🍀
肺癌、胃癌、大腸癌、肝癌など血行性転移をきたいやすい腫瘍のフォローでは副腎への転移がないかチェックも大切です。*˙︶˙*)ノ"♡
今度、左の副腎も探しときますww
【副腎】
外側にある皮質と、内側にある髄質があり、それぞれからホルモンが分泌されます
皮質:ステロイドホルモン(コルチゾール・アルドステロン・DHEA)
アンドロゲンを分泌
コルチゾールはストレスから体を守り、糖や血圧を正常に保つのに重要で、コルチゾールの過剰分泌および日内変動の消失により、高血圧・中心性肥満、肩のこぶ・多毛・皮膚が薄くなる・血管壁がもろくなり内出血ができやすくなる。などの症状が引き起こされます。精神的にも鬱傾向になることが知られています。
アルドステロンは塩分、カリウム、水分のバランスを保つのに重要な役割をします。
髄質:カテコールアミン(ドーパミン・アドレナリン・ノルアドレナリン)を分泌
非常時に血圧を上昇させたり、心臓から血液を送り出す力を強めたり、エネルギー源としてブドウ糖を血中に増加させたりする働きをします。
副腎に腫瘍があり、ホルモンが過剰に分泌されるかどうかで、機能性副腎腫瘍と非機能性副腎腫瘍に分かれます。
・原発性アルドステロン症
副腎腫瘍によるアルドステロンの過剰分泌により、ナトリウムが過剰に蓄えられることで高血圧が引き起こされます。またカリウムの排泄が多くなり低カリウム血症になることもあります。カリウムが不足することで筋力が落ちたり、つりやすくなるなどの症状がでることがあります。
高血圧患者さんの約10%に見つかると言われてます
良性の腺腫が原因になることが多いそうです
・副腎性クッシング症候群
副腎皮質からコルチゾールが過剰に分泌され、高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などを引き起こします。下垂体腫瘍が原因の場合はクッシング病と言います
・アジソン病
慢性的にコルチゾールが出なくなった状態で、唇や爪の周りの色が黒くなり、体重減少、食欲不振、集中力の低下、脱力感、低血圧、低血糖などの症状が見られる。
副腎と関係のある腫瘍
・褐色細胞腫:副腎髄質や傍神経細胞に発生する腫瘍。腫瘍の発生原因は不明。カテコールアミンの過剰分泌を呈する疾患で多くは良性腫瘍です。約10%ほどに骨・肝などに転移する悪性褐色細胞腫もあります。
症状は、高血圧・高血糖・代謝亢進・頭痛・発汗過多・頻脈・不整脈・起立性低血圧・過呼吸など多彩です
・神経芽腫:小児がんの一つで体感の交感神経節や副腎髄質などから発生する腫瘍で約65%が腹部。その半数が副腎髄質で頸部や胸部、骨盤腔などからも発生します。悪性度の高いものから自然に退縮していくものまで様々です。