連日コロナの話題ばかりですが。。💦
無症状の新型コロナの患者さん??
呼吸器系の症状がない新型コロナの患者さんの中には、肺炎が進んでいて、血中酸素飽和レベルも正常以下の方が多くいるとの事。
肺にはサーファクタント(界面活性物質)を分泌する細胞があり、サーファクタントにより肺胞を広げ肺呼吸をするエネルギーの手助けを行っています。
コロナウイルスはこのサーファクタントを産生する肺細胞を攻撃するそうです。
肺胞が虚脱し、酸素レベルが低下しますが、なんと肺はこの状態に適応するそうで初期症状が出にくいらしく、低酸素症に気が付かないまま無自覚に速い深い呼吸をするようになるそうです。自覚症状を感じた時にはかなり進行してるかも(꒪д꒪II
パルスオキシメーターを買っておくのがいいのか!?٩(¨*)ว=͟͟͞͞ シタタタタッ…………
話は全然変わりますが。。。
今回は"頸部の腫脹"によるエコー検査依頼時の画像になります🍀
昨日より頸部腫脹と痛みが出現。
右頸動脈の上に血腫らしきエコー像が見られ、中にチューブが確認できます。
ん???
内頸静脈は???
画像上、総頸動脈の左上側に見られるのが内頸静脈ですが、内腔は血栓で埋め尽くされてます。
どうやらチューブは血栓で埋め尽くされた内頸静脈の血管内から血管外へ迷入してるようです。血管外へ出たチューブ周囲には血腫が形成されていました。
チューブはどこから来たのか???
患者さんの左鎖骨下にはカテーテルが挿入してありましたので、胸写を確認。
左鎖骨下静脈カテーテルのチューブは上に向かってました。頸部の写真がないのでチューブの先端はどこにあるのか胸写ではわからなかったです💦
鎖骨下静脈カテーテル挿入マニュアルには
「カテーテル先端が内頸静脈や反対側の腕頭静脈に迷入したまま放置すると、血管壁を穿孔する可能性があり、透視下での挿入であれば、その場でガイドワイヤーを用いて留置位置を確認する。挿入後のレントゲン写真で確認された場合でも必ず適切な位置に再挿入すること。カテーテル先端が中心静脈以外に迷入したままで高カロリー輸液を行ってはならない」
と記入されています。
首とか腕とかは動かすことも多いし、カテーテルの機械的刺激による静脈穿孔や、細い末梢静脈に高カロリー輸液が入ることで静脈炎からの漏出や壊死による静脈穿孔を考えないとです。
ガイドワイヤ―に抵抗があった場合や脱血不良の時は、無理せずに迷入の可能性を考えるとの事。
血管外漏出の時期としてCVカテ挿入後、
3日以内が59%ほど
一週間以内が85%ほど
で比較的早期に発生すること多いそうですが、1カ月以上経過した後に発生することもあるそうです。
今回はCVカテ挿入後48日後の出来事でした。
鎖骨下静脈からのカテーテル挿入時の合併症として
・気胸
・血胸
・血腫
・乳糜胸
などがあります。
気胸は胸膜を誤って穿刺してしまうと起こります。
血腫は動脈を穿刺することにより起こりますが、今回のように静脈の破綻でも見られます。縦隔に血腫ができ増大すると気管の狭窄が起こり危険です。特に凝固線溶系の傷害や抗血小板薬の内服中の方は出血傾向にあるので注意です。
鎖骨下静脈は用手圧迫が難しいため、別のアプローチを検討した方がいいそうです。
乳糜胸は胸管の損傷で胸腔内に乳糜が貯留する疾患で、胸管の誤穿刺でおこります。
乳糜は胸管を通過する乳白色のリンパ液で、腸管で吸収された長鎖脂肪酸がカイロミクロンとして形成され流れてるものです。
深く刺しすぎると怖いですね(>_<。)
エコーはあくまでも一断面での評価ですが、できれば知識と技術を持ったエコー経験者が穿刺時に一緒に立ち会い事故防止に役立ちたいです🐥
CVカテはその日のうちに取り除かれ、右から挿入されてました。