「女性の乳腺の検査は女性が担当します♡」という施設が多いとは思いますが、男性の精巣エコーは男性が。。。。してません!うちだけでしょうか??申し訳ないです💦
ということで、今回は精巣のエコーです。
左の精巣腫大で検査依頼です。
成人男性。痛みの自覚なし。
腫れている部位になにが見えるか観察します。
腸管なら鼠径ヘルニアになってきますかね。
今回は無エコーなので液体貯留を考えて検査を進めていきます。
精巣の大きさ(左右差がないか)、精巣の位置異常が無いか、内部エコーの状態、ドプラによる内部血流の評価、周囲の液体貯留量、などを観察していきます。
今回は左の精巣の内部エコー、大きさと場所、血流量には異常が見られませんでした。
周囲の液体貯留があり、精索への連続が確認できます。静脈瘤を否定するため液体貯留部にドプラを実施しましたがカラーは表示されず、低流速だからかなぁ。。。と気になってましたが結果は左精索水腫との診断でした。
陰嚢内に液体が貯留した状態を陰嚢水腫といい、鼠径部(足の付け根)が腫れ液体が溜まった状態を精索水腫と言います。
精巣の発生は胎生8週頃から、腹腔内(後腹膜)から腹膜と一緒に陰嚢へと移動します。このとき腹膜も一緒に腹腔を飛び出し鞘状突起(しょうじょうとっき)が形成され
通常であれば2歳頃までに自然に閉鎖されます。閉鎖しない場合、鼠径ヘルニアや精索水腫などの病態を引き起こします。
成人の精索水腫は浸出液の吸収障害・炎症・フィラリア感染後・精索静脈瘤術後・加齢による筋膜の脆弱化が原因と言われていて、発生学的な要因で起こる子供の場合とメカニズムが違うときがあるそうです。
通常、陰嚢部の痛みや発赤は伴わないそうです。
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