病棟からベッドでエコー室に搬入。🛌
右下腹部の硬結でエコー検査依頼。
50代の男性です。
エコー担当者が不在だったので急にエコー検査をすることに。。。
「え??だれ??何エコー??腹部??」
アタフタヾ(・ω・`;))ノ三ヾ((;´・ω・)ノアタフタ
依頼だけ確認して検査へ・・・・・
皆さんはカルテを見ずに検査することがありますか??
救急外来だとカルテが出来上がってない状態で検査しないといけない!
という時がありますかね?
検査前や検査中の情報収集は大切です。
たまに「カルテ見ました??」と聞くと
「まだ見てないです。」
とか
「前回のエコーの所見だけ確認しました。」
って言われます。(:3_ヽ)_コテッ!
今回の検査では私もカルテの確認が不十分で検査を開始しました。
カルテを確認して検査すると数分で検査が終了してたと思いますが、たぶん…15分以上は…頭の中に「???」のマークを漂わせながら検査してました…
肥満のあるポッコリお腹の右下腹部に さらにポッコリしている部位があったので、すぐにそこにプローブをあてました。
最初にチラッと見える右下の丸い嚢胞様のものは膀胱です。
炎症の波及がみられます。
「腸管???」
たぶん殆どの人がそう思ったのではないでしょうか?
エコー経験が少ない人は
【腸管が腹壁から突出してます。ヘルニアです。】
との事。
経験豊富な人はここから、これが腸管なら連続しているのか??
じゃあ、他の腸管はどんな状態なのか??
と背景を確認しその答えが正解なのか?他に何が考えられるのか?など広い視野で沢山の情報を得て整理していきます。
今回もベテラン勢の方にコメント頂きましたが、数分の動画のみでそこまで情報を得れるのかぁ💦ス..ス...(゚Д゚(゚Д゚ノ(゚Д゚ノ)ノスゲー!!!
と驚きました。
では、動画にはない部分のお話しへ。。。
腸管との連続は確認できませんでした。おそらく連続していない…はず…(自信ないので他の初見を探しますw)
他の腸管は拡張などの所見が得られず……イレウスや腸閉塞の時のような"拡張した腸管"の所見なし。
なので腸管の可能性は低くなってきました。
とりあえず腹部エコーのルーチンを終え 右下腹部の患部を再確認…
手術創がある。。。。( ˙-˙ )アレッ?
綺麗な線状の創部で凹凸もなくエコー室が暗すぎてわからなかった( ˙-˙ )。。。(言い訳)
綺麗な創部だから結構前の手術痕なのかな。。。
ここでようやく、電子カルテをひらく私。。。。
約2か月前に虫垂摘出術をされていました。
(採血は行われていなかった為、CRPなどの数字は不明でした。)
と、いうことで.......
📝右下腹部、創部の皮下~腹腔内に約50㎜の嚢胞性腫瘤を認めます。内部は混濁し、周囲への炎症所見が得られます。腸管との連続性は確認できず膿瘍を考えます📝
その後CTで膿瘍を確認して、切開排膿となりました。
以前、ダグラス窩の膿瘍が被包化されて腸管のように見えたこともあったので、
腸間膜の膿瘍は被包化されてしまうと腸管のように見えるときがあるんだなぁ。。。と再認識した症例となりました。
今回は会話が成立しない患者さんだった為、患者さんからの情報は得ることができませんでした。
ただ、患部を押さえると痛そうな表情をされる。「痛みがある」ことだけわかりました。
エコー室を明るくすると、創部の傷や発赤がよく確認できたはずです。
患者さんをエコー室へ案内した時の動き方、ベッドへの寝かた、カルテの内容、既往歴、エコー検査中の問診etc。腹部エコーは画像所見以外にもヒントが沢山あるのでフル活用していきたいですね。*˙︶˙*)ノ♡
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