暑い日が続いてますが夜は少し涼しくなってきたような気がします🍃🍀
日中外に出る人は熱中症にも気をつけてくださいね(*´∀`*)
今回は 成人女性。
「左鼠径ヘルニア疑い」でエコー検査依頼の症例画像です。
鼠径ヘルニアとは、本来お腹の中にある腹膜や腸(主に小腸)が鼠径部筋膜の間から皮下へ出てくる状態です。
腹膜??腸??何がヘルニアの原因となってるかエコーで確認します。
女性の鼠径部膨隆の原因として、鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、Nuck管水腫、子宮円索静脈瘤、リンパ節腫大、子宮内膜症…など様々な原因があげられます。
今回の動画になります⇩
小腸にしてはケルクリングひだが見られません…
嚢胞状で何となく隔壁っぽいのがあるのかなぁ。。。
ヘルニア門も何となくわかりますかね。。。
OPE後のカルテに「子宮円索の一部が嚢腫化」と記載されていました。
【Nuck管水腫】
Nuck管水腫は女性の胎生期に子宮円靭帯形成に伴って鼠径管内に入り込んだ腹膜鞘状突起が生後も閉鎖せず残存し、内部に液体貯留をきたしたもの。と記載されています。
(子宮円靭帯沿いに発生する水腫)
腹膜鞘状突起は、胎生3カ月目に腹膜の一部が内鼠径輪へと突出することにより発生する小さな袋状の出っ張りです。通常生後1年以内に閉鎖するのですが、閉鎖されずに遺残し、嚢胞を形成して内部に液体が貯留するとNuck管水腫と呼ばれるそうです。
腹膜鞘状突起は、子宮円索とともに鼠径管を通り大陰唇へと至るため、Nuck管水腫は鼠径部だけでなく外陰部にも発症するそうです。腹腔と交通がある交通性と非交通性に分けられ、交通性は小児発症例に多く、非交通性は成人に多いそうです。
Nuck管水腫には、異所性子宮内膜の迷入による子宮内膜症があり、月経周期に合わせて疼痛を伴う腫瘤の増大・寛解を繰り返すことがあるそうです。
またNuck管水腫から発生した類内膜腺癌や、鼠径内膜症を発生母地とした明細胞癌の報告もあるとのこと。
異所性子宮内膜症の合併もあり適切な切除が必要とのことです。なので術前の診断が重要になってきます。(病理的にNuck管水腫の中だけではなく、子宮円靭帯にも子宮内膜の迷入を認める場合があるため適切な切除が必要)
画像診断では、子宮円索の走行と一致する嚢胞性腫瘤として描出される。
鼠径部膨隆の原因…いくつかあるようなので鑑別できるように知識として備えておきたいですね♡ *˙︶˙*)ノ
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