腎のう胞??簡単、簡単。画像見なくてもわかります!
って思われてる方も多いと思います。なので今回はエコーを始めたばかりの人向けになりますね。
腎臓は背中側の腰あたりに左右一個ずつある握りこぶしほどの大きさの、尿を作る臓器です(約150g)。
よく、健診でエコーを撮りながら、右の腎臓を見た後に「じゃあ、今度、左の腎臓をみますね~」と説明してると「腎臓って2個あるんですか!?」と聞かれることも多々あります。
アスリートが持久力を高めるために行う高地トレーニングは、酸欠状態に陥った体にたいし腎臓がエリスロポエチンという物質を放出しすることで骨髄に赤血球の増産をさせ体中に効率よく酸素を運べるようになり、持久力アップにつながります。
尿を作ることが仕事と思われてる腎臓ですが、血液中の酸素量や血圧の調節にとっても大事な臓器です。
左腎の動画になります⇩
嚢胞が多発してますが、腎盂や尿管が淡く描出されていて腎臓とわかります。
多発性の腎嚢胞が徐々に大きくなり、進行性に腎機能が低下する頻度の高い遺伝性腎疾患です。
尿細管の径を調節するPKD遺伝子の異常が原因で起こり、多くは成人になってから発症し人工透析が必要となってきます。
正常な尿細管細胞では、尿量を感知するセンサー(PKD1)からカルシウムチャンネル(PKD2)に信号が伝わり、細胞中にカルシウムが入ることで尿細管の径(太さ)が調節されます。遺伝子の異常によりこの機能がなくなると嚢胞が形成されます。
常染色体優性遺伝で、男女差はありません。
ほとんどが30~40歳代まで無症状で経過するそうです。
40歳頃から糸球体濾過値が低下し始め、約70歳までに半数の患者が末期腎不全に至るそうです。
症状として外傷後の肉眼的血尿・腹痛・腰背部痛など。急な痛みは嚢胞感染・尿路結石・嚢胞出血など。慢性の痛みは嚢胞で腎臓が大きくなった人に多く、腹部圧迫症状として膨満感や食欲不振なども出てくるそうです。
合併症として、高血圧・肝嚢胞・脳動脈瘤などがあります。
根本的治療はなく、保存的治療だそうです。体の中の水分が足りなくなると尿を濃くするためバソプレシン(ホルモン)によって嚢胞が大きくなるそうです。水分摂取は十分にしないといけないみたいです。
こちらの方は現在、週3回の透析を行っています。
腎臓って大きくなっても、小さくなっても何となく腎杯や腎盂に雰囲気が残ってるので自分の目を信じてじっくり観察してみてください。⇩
症例が沢山載ってるので好きな一冊です。
腹部エコーを始めた時の憧れの一冊でした✨昔から親しまれてる一冊です