胆嚢腺筋腫症はよく腹部エコーで出会う症例です。
個人的には腺筋腫症って不思議な感じがして、なぜか気になる疾患です🐥
胆嚢壁の限局性またはびまん性の壁肥厚を特徴とし、RAS(Rokitansky-Ashoff 洞)と呼ばれる胆嚢の粘膜上皮が胆嚢壁の筋肉の層にまで憩室様嵌入したものが増生したもので
病理組織標本上、長さ1㎝以内に5個以上のRASが増生し、その部位の壁が3㎜以上肥厚している病変です。
摘出した胆嚢の約10%に認められるそうです🐣
びまん型:胆嚢壁全体にRASが増生し、びまん性に胆嚢壁肥厚が見られる
分節型または輪状型:頚部や体部に壁肥厚が見られる
限局型:限局した部位で壁肥厚が見られる。底部に多い(底部型)
無症状で積極的な治療は必要ないですが、胆嚢癌と鑑別が困難な場合は摘出術の適応となります。
50代 女性。
胆嚢頚部に壁肥厚が見られます。
体部~底部には壁肥厚なく、底部に小結石を認めます。
この小結石は頚部に流れてくることがなさそう💦(勝手な想像)
コンベックスプローブで走査すると、うちみたいな画像の分解度が低い機械では、底部がやや ぼやけて見えます笑🍀なのでリニアプローブで確認します。
高周波プローブだと底部の観察がよくできます。底部型の腺筋腫症ですね🍀
でも、コンベックスプローブで気が付かないと拡大して確認もできないので、あれ?と気になったら積極的にリニアプローブで確認してみてください。
これは限局型の腺筋腫症ですかね。肥厚した壁内に小さな嚢胞が見られますが、これがRASです。
底部が屈曲していて、そこが腺筋腫症になっています。
これも限局型かな?コンベックスプローブで観察すると悪性にもみえましたが…
分節型です。頸部の壁には肥厚がありません。
これは分節型で体部~底部には結石が充満してます。なので体部~底部に悪性疾患があっても見えない気がします💦
以上、だらだらと動画をupしましたが、見て頂いてありがとうございます笑(•ᵕᴗᵕ•)
2㎜の胆嚢ポリープを見つけてもどうしようもないですが、小さな腺筋腫症も見つけてもあんまり意味がなく同じ扱いのような気がするけど観察したくなる私。。。気持ち分かってくれる人いませんかね?笑
胆嚢壁が肥厚する疾患は、胆嚢炎・胆嚢癌・胆嚢腺筋腫症・急性肝炎・肝硬変・低蛋白血症などがあります。
胆嚢に結石などなく、なぜ肥厚してるのか?食後でもないのに…というときは肝炎を疑ってみます。薬剤性肝炎などは肝臓自体の変化がエコーでわかりにくいので胆嚢の虚脱があれば可能性は否定できないです。
肝硬変では門脈圧亢進があり、胆嚢静脈は門脈に注ぐため胆嚢壁内に浮腫を生じ肥厚して見えます。
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