腹直筋血腫
腹直筋(ふくちょくきん、Rectus abdominis)は、腹部の筋肉のうち前腹壁の中を走る前腹筋の一つ。一般的に腹筋</strong >(ふっきん)と言われています。
50代女性。上腹部痛でエコー検査依頼
そんな風に依頼がきたら内臓疾患否定しないと!って思いますよね笑
「こちらのベッドに寝て下さい。」患者さんは横になる瞬間が痛いようで”あいたたたたた”と言いながらベッドへ。。。
横になってしまえば大丈夫みたいで、おしゃべりしてくれました☺
先週からずっと風邪をこじらしている様で咳が止まらず大変と.....💦
咳をするとお腹がすごく痛いし、起き上がるときも痛くて普通に起きれない💦
肝臓や胆嚢を見ながらそんな話しを聞きつつ、特に異常が無いため 浅い位置に目をむけると、筋層部の厚みが他と違う部位を発見👀✨
ここ痛いですか?と聞くと痛みの位置に一致。
拡大してみると腹直筋は肥厚し、内部に血腫を伴っていました。
腹直筋損傷のエコー像です。
たぶん咳のしすぎで損傷したんでしょうね(*´>д<)
左右で比較するとわかりやすい🍀
治療は安静www
痛み止めやシップなどで紛らわせながら、安静にし自然治癒するのを待つしかないです😂
肉離れみたいなものですから☺
とはいえ家でゴロゴロ過ごせない方も多いと思うので安静って難しいですよね。
起き上がるときも痛い。寝るときも痛い。くしゃみや咳も痛いwww
周囲の人の理解と協力が大切です。
無理な筋トレなども気を付けましょう笑
【非外傷性腹直筋血腫】
明らかな外傷歴がないにもかかわらず、腹直筋鞘内に血腫を形成する比較的稀な疾患である。明らかな外傷ではないが、咳嗽、腹筋運動やスポーツ、特にバレーボール中に発症したとの報告が散見される。本症は腹直筋線維の断裂に伴う腹直筋内の上下腹壁動静脈の出血により生じる。上部に比べて下部腹直筋のほうが急激な筋収縮や筋断裂 が生じやすい。下腹壁動静脈が弓状線部で腹直筋鞘内に流入する付近での破綻が多いことが理由とされる。右利きでは右側腹直筋が緊張しやすいため右側腹直筋血腫が高頻度であると説がある。しかしながら、利き手と発症側の関係について記載されている報告は少なく、バレーボールのように利き手側の筋肉が緊張しやすい場合もあるが、咳嗽や腹筋運動の場合、左右の発生部位との関連性は不明である。