らぴゅたった

解像度が低いエコー機械でも…

腹部エコー。膵臓のエコー。慢性膵炎のエコー画像。食欲低下。下痢。

年末年始からのコロナ…ようやく落ち着いてきました……(o_ _)oパタッ

5類に移行後は『病院に入院したら、もれなくコロナに罹る』みたいな事にならなければいいですが💦

 

さて、お久しぶりの今回は腹部エコー。慢性膵炎のエコー画像になります。

 

特徴的な画像所見は🐥⸒⸒

膵管内の結石、膵全体に分布するびまん性の石灰化、蛋白栓と思われる高エコー。

膵管の不整な拡張、膵の明らかな変形(凹凸不整)などになります。

 

膵石。慢性膵炎のエコー画像。

 

 

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細身の方だったので、膵の位置も体表に近く描出しやすかったです。肝臓は肝硬変がありました。膵実質のエコーレベルは低く、膵石が多数見られました。

残業も減ってきたので、また記事の更新をがんばります(ง •̀_•́)ง🔥デハマタ!!

 

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【慢性膵炎】Chronic pancreatitis

膵臓への炎症の繰り返しにより、膵臓の線維化と膵管狭窄を伴う永続的な形質障害、ホルモン分泌の減衰が生じる状態。

初期症状は繰り返す上腹部痛発作で、進行し回復できない状態になると痛みはなくなり膵性糖尿病や、体重減少、脂肪便などの症状を呈する。

アルコール性慢性膵炎と、非アルコール性慢性膵炎に分類され、病期は代償期、移行期、非代償期に分けられる。

 

代償期は急性膵炎の繰り返しから上腹部痛、心窩部痛、背部の断続的な鈍い痛みなどを数か月毎に繰り返す。正常な細胞が破壊され、組織の線維化、膵管の変形・狭窄・萎縮が徐々に進行する。

7~8年たつと移行期に移り、症状が軽くなる。

非代償期になると、組織の線維化、結石により状態が悪化し、膵機能が回復不能な状態のため症状が軽減する。

非代償期には、食欲低下。下痢、栄養吸収機能の低下、膵性糖尿病による体重減少など膵機能不全に伴う症状がでてくる。下痢便は脂肪便と呼ばれ、消化酵素の分泌低下による脂肪やタンパク質の消化吸収不良が原因。脂肪の吸収不良から脂溶性ビタミンA・D・E・Kの欠乏症にもつながる。

無症状性の慢性膵炎の報告もある。

 

 

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腹部エコー。肝の腫瘤性病変。肝細胞癌のエコー画像。HCC。TAE。

食欲の秋🎃🍁🍄🌰色々美味しくてお腹いっぱいになるまで食べちゃいますが、次の日にお腹の調子が悪くなるのが最近のルーチンになってます_( _;ω;)_ペショ

 

 

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今回は腹部エコー。肝臓の腫瘤性病変。肝細胞癌HCC)のエコー画像です。

以前TAEを施行されてたようで、フォローでの検査依頼でした。

動画の前にTAEとはなんぞや?を調べてみました🐤

 

TAE(動脈塞栓術)transcatheter arterial embolization

腫瘍の栄養血管に塞栓物質を流し込み、血流を遮断して腫瘍を虚血状態にし壊死させる治療法になります。

肝細胞癌子宮筋腫などの疾患に用いられる治療法で、全身麻酔を必要とせず、2時間程度で終わります。

血流を止めるために用いられる動脈塞栓剤は2週間ほどで溶けて消失し、該当血管は正常な状態に戻ります。

 

肝細胞癌への適応

 

・腫瘍径3㎝以上が2~3個。3㎝以下が3個以上の肝細胞癌

・手術、経皮的局所療法の適応でない肝細胞癌

・門脈本幹に閉塞がない。

・著明な腫瘤内シャントがみられない、切除不能かつ穿刺局所療法の対象外とされた多血性肝細胞癌

 

に適応となるそうです。

 

禁忌

・門脈本幹の閉塞を有する:正常な肝は主に門脈から栄養を受けているため、動脈を塞栓しても障害されないが、門脈自体に閉塞があると栄養が遮断されてしまうため。

・高度の肝機能障害を有する。

・肝硬変(非代償性肝硬変)を有する。

・高齢者、Performance Statusが3以上。

 

肝臓は門脈と肝動脈の2つの血管から血液が供給されています。

肝細胞癌は主に肝動脈から栄養が供給されているため、足の付け根の動脈からカテーテルを挿入し、肝動脈まですすめ肝細胞癌を栄養する肝動脈に塞栓物質を流し込みます。

癌細胞の兵糧攻めです🍚

同時に抗がん剤を流し込む治療をTACE(テイスやテース)といいます。

 

ではエコー画像になります。

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以前TAEを施行した部位はどこなのか不明でしたが、肝硬変を背景に3つの連なるHCCを認めます。大きな腫瘤は周囲に低エコー帯を認め、内部はモザイクパターンを呈しています。典型的なエコー所見かな〜と思います。肝管の拡張も認めます。離れたところにも高エコーの腫瘤が認められます。

 

転移性肝腫瘍も腫瘤が大きくなると外周に低エコー帯が認められることが多くなると言われています。肝細胞癌で見られる低エコー帯は組織学的には線維性の被膜に相当しますが、転移性肝腫瘍で認められるものは明らかな線維性の被膜構造は存在せず、腫瘍に圧排された肝実質と一部は腫瘍辺縁部を見ているそうです。

 

肝細胞癌のエコー画像

 

 

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腹部エコー。胆嚢のエコー画像。超音波の周波数。アーチファクト。

急に寒くなってしまいましたね🍁🍂

今日は寒かったから明日は半袖にしよう(ง •̀_•́)ง!

と半袖で出かけると、めっちゃ寒くて次の日長袖にすると暑くてwww

を繰り返しています(  ˙-˙  )

去年、どんな服着てましたっけ??という状況です。笑笑

 

さて今回は腹部エコー。胆嚢の画像です。

前回検査していた人が見落としていたので今回提出してます。腕はいりませんよ。機械のボタンをいじるだけです。(*・ᴗ・*)و

 

まず普通の画像から⇩

youtu.be

 

検査中にこの画像をみて、よし。異常なし。と次へいってしまう人。。。

 

ここ何か違和感。。。。と感じる人

 

ここ見えないから、もう少しよく観察したいな。。。と思う人。。。

 

と人それぞれ分かれるかもしれません。

 

異常なし。と判断した人は、一件の検査時間が早くて件数こなしてそうです。( ˙꒳​˙  )

 

違和感を感じた人はすごい。✨

 

私もこの画像からは違和感を感じ取れませんでした。自分で撮りましたが。。検査中に違和感を感じましたけどこの画像を見返しても違和感ありません。

 

もう少し観察したい人は、私が患者さんだったら検査をお任せしたい✨

 

でも実際、検者を選ぶことはできないので、異常なし。と判断した人に検査されちゃうかもですが。。(꒪д꒪II。せっかくお金と時間をかけ検査するので3分くらい検査時間が延長してもいいかなー。

でも寒いときにお腹をずっと出してるのも辛いなー。とか妄想中。(//∇//)

 

では設定後⇩

youtu.be

 

周波数の高いプローブで観察しています。

通常、腹部エコーで使用するコンベックスプローブは3.5Mのものが主流です。

これは6.0M。小児用のコンベックスプローブになります。

腸管などもすごく見やすいので重宝しています。

 

あいかわらずアーチファクトで、多重反射やらサイドローブなどがみられますが、胆嚢底部に隆起性病変が確認できるようになりました。浅い部位に強いので肝の表面とかの観察にも向いてます🙌🏻💕

 

アーチファクトなどについて詳しく説明してくれてます、キャノンメディカルの公開講座です⇩私も超音波検査士の受験の時にお世話になりました。

 

Dr.SONOの公開講座|第21回 多重反射 (medical.canon)

 

今回は「知ることへの欲求」。探求心が大切になってくる一例でした~*˙︶˙*)ノsee you

胆嚢のエコー画像

 

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乳汁が出る。乳頭直下の腫瘤。乳腺エコー。乳腺の腫瘤性病変。

第7波、すごかったですね(>_<。)💦久しぶりに仕事の夢でうなされました(  ˙-˙  )

約3か月ぶりの更新になります(*ノД`*)タハッ

 

今回は乳腺です。乳汁が分泌されるときは、どのようなときなのでしょうか。

産褥期には生理的な変化として乳汁分泌があります。

対して、産褥期以外に乳汁分泌が見られる場合を乳汁漏出症とよび、原因として

  • プロラクチンという下垂体ホルモンの分泌増加
  • プロラクチンに対する乳腺の感受性上昇

などがあります。

 

プロラクチンの分泌亢進がおこり、プロラクチンが排卵に必要なホルモンの作用を阻害すると、乳汁分泌や、排卵障害などの月経異常の合併がみられます。

 

高プロラクチン血症の原因

プロラクチンの分泌は視床下部から分泌されるドーパミンにより抑制を受けています。この抑制が、何らかの要因で解除されると下垂体からのプロラクチン分泌が増加し、乳汁分泌や月経異常をきたすようになります。ドーパミンの分泌を抑制する原因として

薬剤によるもの(向精神薬、抗潰瘍薬)

視床下部の器質的な異常(腫瘍、脳外科的手術)

下垂体異常(プロラクチン産生腫瘍)

甲状腺機能低下症(甲状腺刺激ホルモンにより分泌が促進)

 

などが考えられます。

 

分泌物は透明・黄色・白濁・赤色・茶色などさまざまですが、特に血性分泌である血が混じったような乳汁は乳腺の良性腫瘍や、乳腺炎、乳房の細菌感染、膿瘍、乳がんが原因のことがあるので注意です。

 

今回は乳汁分泌が認められた乳頭直下の腫瘤像になります。

 

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病理結果では、管状形成型(腺管形成型) tubule-forming type でした。

旧表記のpapillotubular ca(乳頭腺管癌)になります。

 

乳頭直下のエコー画像

10月はピンクリボン月間です。検査を受けることはとても勇気がいることですが、今月は様々な地域で乳がんの早期発見に取り組む活動が行われています。

乳がん検査を受けたことが無い方も、ぜひこの機会に検査の予約をされてみてはいかがでしょうか。

 

 

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乳頭分泌物があって心配な方は早めに検査をされる事をお勧めします(•ᵕᴗᵕ•)

 

 

 

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脇のしこり。脇の痛み。脇の下が痛い。脇にしこりがある。脇の下が腫れている。

脇の腫れやしこりはどんな時に感じるのでしょうか??(。・_・?)

たまに気になって来院される方がいるので調べてみました。

私が経験した中では、脂肪だったという事が記憶に深いですw

最近太ったと自覚されていて、脇のしこりをご自身でつまんでもらうと脂肪だったという。。。ミ(ノ_ _)ノ=3 ドテッ

 

脇の下のしこりには

  • 脂肪(太ってる人)
  • 脂肪腫
  • 副乳の腫れ
  • リンパ節
  • 粉瘤(アテローム
  • 軟性繊維腫(イボみたいなもの)スキンタッグ
  • おでき(せつ)
  • 異物肉芽腫

など色んな種類があります。

比較的、やわらかくて大きく両方の脇が気になるなら脂肪かもしれません笑

片方だと脂肪腫の可能性がありますね。

 

脂肪腫

脂肪腫は脂肪の塊で、脂肪細胞からなる良性の軟部腫瘍になります。皮膚の見た目が膨らんだように見えるだけで、痛みや発赤はありません。

皮膚の下には、表面の表皮層、その下の真皮層、そのまた深部に皮下組織(皮下脂肪など)、そして筋膜が存在します。

エコー画像。表皮、真皮、皮下組織(皮下脂肪)筋膜

エコー検査では腫瘤がどの部位に存在するのかも確認します。

 

副乳

乳房は左右に存在しますが、哺乳類の進化の過程で部分的に残ってしまった乳腺組織のことです。腋窩(脇の下)から恥骨上縁にわたる表皮が肥厚したところを乳腺提といい、そのどの部位にでも発生する可能性があります。

このうち乳頭だけのものを副乳頭(多乳頭症)、乳腺組織があるものを副乳腺(多乳房症)といいます。

脇の両側にある方もいれば、片側のこともあります。生理周期に合わせて張りが出てきたりします。

副乳にも癌はできるので注意です。

 

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リンパ節

脇の下には通常小さなリンパ節が存在しますが、炎症や癌のリンパ節転移などにより、リンパ節が大きくなり、痛みや腫れを自覚することがあります。

リンパ節の大きさ、性状、リンパ節門の有無、ドプラによる血流のの有無、などをエコーで確認します。

 

粉瘤(アテローム

皮膚の下に袋状の構造物ができてしまい、角質や皮脂が袋の中に溜まってしまう状態です。袋の中に細菌感染が起こると発赤や痛みを感じます。

 

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軟性繊維腫(イボみたいなもの)スキンタッグ

おでき(せつ)

異物肉芽腫

などは皮膚の表面にできるので目でみて確認できます👀✨

 

気になったら自分で解決せず、皮膚の表面なら皮膚科へ、少し深いところなら検査ができる病院への受診をお勧めします*˙︶˙*)ノ❤

 

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腹部エコー。総胆管結石。胆管拡張。胆のう炎。

腹部エコーには『腹痛』での検査依頼がよくあります。私の施設では6割ほどは腸管に原因がある気がします。で、その他はこっち系…🍀🍀🍀

今日は総胆管結石の動画になります。

ここは少し解剖の勉強しておかないとです。

肝臓から左右の肝管~総肝管。胆嚢、総胆管を通って十二指腸へ流入します。

(ザックリw)

肝臓からは一日約1リットルの胆汁が分泌されると言われています。肝内胆管を通り徐々に合流して太くなっていき肝臓を出ると左右の肝管となります。左右が合流して1本になり肝外胆管となり膵管と合流して十二指腸へ開口します。

肝外胆管の途中に胆嚢からの胆嚢管が合流し、これより肝側を総肝管、十二指腸側を総胆管と言います。

 

解剖の勉強をしていても 私は実際エコーの画面でどの部分を描出しているのかイマイチ把握できませんw(っ ´-` c)マー

エコー画像を頭の中で3Dにできる人すごいですよね。こっちが上だからこっちは。。。どこ?みたいな状態になります。笑

 

総胆管結石の症状といえば腹痛があると思いますが、

ご高齢のかたとかで、特に痛みを感じていない人もたまにきます。

 

そして黄疸の有無。

 

エコーの依頼に『黄疸』と記載されていればわかりますが、記載がないときにはエコー室が暗いのでよくわかりません。『患者さんの呼び込みのときから検査は始まっている!!』と聞きますが、まさに呼び込み時での明るい場所で確認できたらいいですね。

眼鏡かけてたり肌がこんがりの人とかわかりにくいですがwww

 

 

肝胆道系は話し出したらきりがないので、今日は閉塞性黄疸について触れてからの動画にします。

通常、肝内胆管は非常に細いためエコーでは描出が難しいです。なので肝内の胆管が見えたら拡張していると考えて原因を探索します。

胆管閉塞などにより胆管内の圧が上昇すると肝内胆管が拡張します。

 

肝臓では、胆管・動脈・門脈が被膜に包まれ一緒に走行しています。門脈は比較的太いのでエコーでも確認できます。

門脈と一緒に走行する管が描出されれば、肝内胆管の拡張を考えて検査し、拡張していれば閉塞性黄疸を考えます。

 

閉塞性黄疸の原因として、胆管結石・一部の胆嚢結石・腫瘤形成膵炎・良性の胆道狭窄・胆管腫瘍・胆管癌・膵頭部癌・十二指腸乳頭部癌・胆嚢癌・肝癌・胃癌のリンパ節転移などがあります。

 

採血での肝機能検査と併用し、エコー検査での肝内胆管拡張の有無は閉塞性黄疸を知るうえで簡単で確実な検査になります。常にルーチン検査でも肝管の拡張の有無を確認しましょう。

そして、拡張が確認できたら閉塞部位や原因診断を頑張ります。ガスが多い場所なので見えないことも多々ありますが『見よう!』としないと見えない場所になるので頑張って集中です(*・ᴗ・*)و

 

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総胆管結石

 

 

 

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心エコー。冠動静脈瘻。

今日の心エコーの勉強会は先生からです。(-ロдロ-)ゞ

たまにカラードプラが少しだけ変なところから見えるときはこんな時かも??!!!( ゚д゚)ハッ!!!!って思いました。ではではさっそく。5月18日(水)21時~。| •ᴗ• )っドゾッ

 

「冠動静脈瘻」

冠動脈は、冠静脈→冠静脈洞を経てRAへ還流している。が、時にとはいえ結構な比率で、途中PA>RA>RV>LVに短絡している事がある。大抵は、短絡量が少なく病的意義が小さいので、無罪放免で済むのですが、大量に短絡する場合は、そして還流先次第では治療の対象になります。

右心系へ還流する場合はやはり、ASDやVSDのように、RVHになりますし、平低T波になります。他にも、だんだん右心負荷が高くなると右房負荷の尖った大きなP波を来たす。更に慢性的に負荷が高いと心不全状態が続く為、たっぷりな心嚢液の為、胸部低電位になったり、心嚢液の中で心臓が動き回る為に不確定軸、QRSが高かったり、低かったりします。これをSwing heartと言います。

一般的には、心電図を起点として見つかる所見ではありません。普通はエコーや冠動脈造影でみつかるのです。基本。fistulaがある冠動脈は太くて縮れています。造影すると、短絡する血流も良く見えます。しかし普通の人には冠動脈造影なんて出来ない。これは心筋梗塞の人への検査です。

で、普通はエコーで見つかる事が1番多い。しかし、全ては見つけることは出来ない。文献によると、心尖部肥大型心筋症の人の400人に1人はLVへのfistulaがあるとされている。
実際、四腔断層像で心尖部肥大型心筋症をよく見ていると、心尖部心筋中にモヤモヤした血流を見る事を案外多数見る。これがエコーで1番よく見つかる冠動静脈漏です。

それ以外のfistula勿論もっと多い筈なんだが、中々見つけ出すには至らない。ほんのちょっとした異常をしかも、稀な所見を見つける目を持つのは凄く大変な哲学が必要な気がする。いつものようにチョイチョイと撮っていては多分見つからない。キチンと探す目と意識の持久力が必要なんだと思う。

心エコー時に、前負荷所見がないのに、何故かしら右室が大きく見えるとか、意味不明の連続性の雑音とかがあれば、一応はQp/Qs肺体シャント比を求めてみるのは必要かもね。ただ、これは4ステップの計測が必要です。3回測って平均でも再現性は保てない(私の技術では)。

見えてきましたか?心電図でそこまで読むのはいけない。over readingです。エコーの一回計測での報告はshort readingです。キチンと丁寧に測った心エコーで推測するような所見です。心電図はそれを裏付けるデータとしては非常に有効な手段なんだと思います。裏付ける、除外がしっかりなされたデータは信頼性が高い。

本症の90%までは、比較的短絡が少なく、肺/体血流量比は2以下である。この場合には肺動脈圧、右心圧は正常である。短絡が多く肺高血圧を合併する場合には乳児期に多呼吸、体重増加不良などの心不全の症状を生じる。短絽が少ない場合には小児期には心臓の雑音を呈するだけで、特別の症状はない。

しかし成人、特に40歳過ぎになると労作時の呼吸困難や疲労心不全の症状などが増加する。雑音は通常連続性雑音が胸骨下部左縁(右室に開口する場合)または、右縁(右房に開口する場合)にきかれる。左室に開口する場合には主に拡張期雑音がきかれる。脈拍はboundingに触れる。時に胸痛などの虚血症状がみられる。

診断
【胸部エックス線所見】
心拡大を認めることがある。
【心電図】
T波の平低化や、ST低下を認めることがある。
【心エコー図】
心エコーでは、拡大した冠動脈を認める。シャント量が多ければ心腔の拡大がみられることがある。心機能低下は稀である。
【心臓カテーテル・造影所見】
大動脈または選択的冠動脈造影で拡大、蛇行した冠動脈と還流部位を同定することができる。
【CT所見】
蛇行した冠動脈と還流部位を同定することができる。
【鑑別診断】
通常は連続性雑音で発見される。したがって連続性雑音を呈する動脈管開存症心室中隔欠損兼大動脈弁閉鎖不全、Valsalva洞動脈瘤の破裂、肺または他の動脈瘻、大動脈肺動脈中隔欠損、その他を鑑別診断するべきである。

 

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