らぴゅたった

解像度が低いエコー機械でも…

心エコー。肺体血流比(Qp/Qs)を測ってみよう。

12月8日(水)21時~

 

肺体血流比(Qp/Qs)の計測

 

 

体循環への血流量を体血流量、肺循環への血流量を肺血流量といいます。

血流の短絡がなければ体循環血流量(QS)と肺循環血流量(Qp)は等しいので、

肺体血流比(Qp/Qs)は1となります🍀

短絡量が多くなればQp/Qsの値は大きくなる(1以上となる)。

➡肺に流れる血液が多い(high flow)ことになる。

先天性心疾患などで短絡血流がある場合は、肺体血流比(Qp/Qs)を求め治療適応などの決定に使用する。

手術適応となる数字については疾患ごとにことなるそうで、一般的に1.5以上が目安。(施設や教科書によって有意となる数字は1.3~1.5となってるので、施設のボスに確認してください笑)

 

🍀🍀前回、左室流出路血流速波形からSVとCOを計測したので、同じように右室流出路速波形と右室流出路径を計測して求めます(ง •̀_•́)ง🔥

 

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PWのサンプルボリュームの位置は弁の手前側に置きます🐣

機械によって測定ボタンは異なりますが私の施設ではこんな感じです⇩

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Qp/Qs

 




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左室流出路血流速波形と左室流出路径

 

 

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右流出路速波形

 

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右室流出路径

流出路径の計測画面をもう少し大きくして径を計測し、誤差を減らす。

 

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Bモードのゲインをもう少し下げて計測する。


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左室流出路径の計測部位が、やや斜めになっている。

 


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毛羽立ちは測らないようにする。

 

 

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OK。

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画像の提出ありがとうございました🍀

右室流出路径の測り方が難しくて、経胸壁心エコーでQp/Qsを計測するとかなりバラツキがでる印象でした💦

 

左室流出路径は、教科書にも丁寧に、弁の直下で大動脈弁が開いた時に測るって書いてあるのに、右室流出路は明確にここ!って書いてあるの見かけないですが、どこかにちゃんと書いてありますか(*´・д・)?

 

ないんよ。右室流出路は弁の解放時すらハッキリ見えない。従って、私はQRSの時を測るように教えてる。厳密にはQRSの少し前なんだけど。

理由は、弁輪部だと開口径とは違うけど、キチンと開口した時の直径、右室で測る方が誤差は大きい気がするから...

 

理により正しい弁解放時を測り、見えづらさによる誤差と実際には違うが弁輪部を測る、左右での時相差を小さくして測るか、どちらの誤差を選ぶかは重大だと思う。

1ミリの差が体積になるとどれだけの差になるのだろうか?ましてや普通の人でR-RはCV=4%位はバラつく。ホントは3回くらい測って平均したくらいでは真実にはほど遠いのでは?

弁開放径と弁輪部径の差はそれらよりは極めて小さいと思う。但し、狭窄がある場合は開放径でないと大きく差が出る。

 

🍀🍀ありがとうございました🍀🍀

次回は12月22日(水)21時~

連続の式での大動脈弁口面積の計測です。

よろしくお願いします(•ᵕᴗᵕ•)

 

勉強会で使用している教科書はこちら⇩

 

 


 

心エコー。左室流出路での1回拍出量(SV)と心拍出量(CO)の計測。CIとは。

11月24日(水)21時~

 

左室1回拍出量(SV)と心拍出量(CO)の推定

EFを計測しても勝手にSVやCOが計算されますが、それが正しい値なのか??

と思うときにこちらの計測を🌱

 

カラードプラで左室駆出血流を出す🐣

PW(パルスドプラ法)で大動脈弁直下の左室流出路中央にサンプルボリュームをおく🐣

(血流と平行になるように注意する)

左室流出路の径をはかる

左室流出路を拡大表示する🐣

後ろ側のバルサルバ洞のふくらみが描出されない断面をだす🐣

大動脈弁最大開放時相で行う🐣収縮早期~中期の大動脈弁が最も大きく開放した後のフレームを選択する🐣

 

 

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左室流出路径

 

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左室流出路血流速波形




 

上の写真では、SV 72.9ml CO 3.7L/minと表示されています。

 

 

1回拍出量(SV:Stroke Volume):基準値は、60~130ml

心拍出量(CO:Cardiac Output):1回拍出量✖心拍数 L/min

 

そして心拍出量(CO)を体表面積で補正して得られる数字が心係数(CI:cardiac index)で血行動態学を把握する指標の一つとなっています。

 

心係数(L/min/m2)
=心拍出量(L/min)/体表面積(m2)
=1回拍出量×心拍数/体表面積 (m2)

 

心係数の正常値は、安静時で2.3~4.2 L/min/m2程度で、

2.2以下で末梢循環不全、1.8以下で心原性ショックに陥る可能性があると言われています。

機械に身長と体重を入力して検査すると計算してくれるはずです🍀

大切な数字ですのでぜひ計測してみてください🍀

 

そしてこの二つを測定すると、もうあと1ステップで

僧房弁の弁口面積

大動脈弁の弁口面積が計測できます。

 

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SV 32.1ml

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SV 36.8ml

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SV 50.6ml

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🍀🍀🍀先生からの補足🍀🍀🍀
今回の①~③までのSVは低値で、EFを測定する時に算出されるSVとCOの値がそのまま掲載されてる可能性があるので、機械の設定を確認してみてください。

 

左心(心臓の左側)は、右心から肺へ送り出された血液が再び心臓に戻ってくる場所です。そして、肺から戻ってきた血液は左心から全身に送り出されます。左心不全では肺に血液が溜まり(肺うっ血)、やがて肺が水浸しの状態(肺水腫)になるため、呼吸困難になります。また、心不全によって心臓の拍動が弱まると、心臓から押し出される血液の量が減ってしまうため、疲れやすくなったり、手足が冷えたり、全身に様々な影響を及ぼします。

 

具体的な症状としては、

動悸
疲労感(疲労を感じやすくなる)
低血圧
冷や汗
四肢チアノーゼ(手足の末端の血色が悪く、青白くなる)
意識障害(脳に十分な酸素が行き届かなくなるため)
乏尿(ぼうにょう・尿の量が1日400ml以下になる)
などがあげられます。

 

EFが低い人でも、平気で生活する人は案外たくさんいます。それは左室が広がり(リモデリング)により心拍出量(CO)が保たれるからです。

しかし、それは左心不全の入り口でもあります。従って、左室の腔の大きさ、一回拍出量は最大限に正確なデータであるべきです。毎回心臓までカテーテルを入れて圧を測るわけには行かないが、心エコーでそれらを測れる場合はどれだけ生命予後を知れる事でしょう。

 


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次回は12月8日(水)21時~

肺体血流比(Qp/Qs)の計測です。

よろしくお願いします(•ᵕᴗᵕ•)

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右季肋部痛(右上腹部痛)。腹部エコー。脂肪肝と肝血管腫。

今回はお久しぶりに腹部エコーの症例です🌱

右季肋部痛での検査依頼になります。

 

胆嚢、胆管、十二指腸などなど原因となる臓器がいくつかあります。

臓器が原因じゃない時もありますが💦

 

右季肋部痛(右上腹部痛)の原因として。。。

胆嚢・胆管

肝臓

十二指腸

腎臓

虫垂炎・腸の炎症

肺炎・胸膜炎

クラミジア肝周囲炎

肋間神経痛

骨・筋肉の痛み

etc。。。

 

痛みの原因となり得る疾患の知識が少ない人が検査を施行すると、見落としにつながりますので知っておきたいですね🐣

「十二指腸は??」・・・・見てないです。。。。💦

「結腸の肝湾曲部は???」・・・・見てないです。。。💦

とか ならないようにしていきたいです。

 

 

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さて動画になります⇩

youtu.be

 

痛みの部位には、脂肪肝を背景に低エコーの肝腫瘤が見られます。

形状不整で内部不均一な腫瘤です。

後方エコーの増強が見られます。

内部の低エコーな所をジッと見てると糸ミミズサインが見えそう…って思いましたが動画に残ってませんでした。(自分で検査したのに(  ˙-˙  )。。。。)

そうです。血管腫になります。(造影CT実施)

 

他に所見はありますか??🙋??

「薄い線状高エコーの縁取り、内部の微細な血管構造を示唆する小嚢胞像。」

おぉ((φ(・д・。)メモメモ

 

良性でも大きければ圧迫されたりして痛みがでてくるものなのでしょうか??🙋??

「腎臓の血管筋脂肪腫もそうですが、4㎝を超えると出血のリスクも高くなり、痛みが生じたりするようです。」

 

なるほど。。。((φ(・д・。)メモメモ

 

大きい腫瘤ですが、わりと典型的な肝血管腫の画像でした。

 

 

 

 

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血管腫

 

 

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超音波検査(エコー検査) - らぴゅたった (rapyutatta.me)

 

心エコー。下大静脈(IVC)の描出。血行動態の評価。

11月10日(水曜日)21時~

 

 

下大静脈の描出

 

私の施設では、心エコー検査で最初にIVC(下大静脈)径と胸水の有無を確認します🍀測り忘れちゃうので(  ˙-˙  )

 

計測部位は施設によって異なるようですが、右房から3㎝ほど遠位側、脊柱部位や横隔膜裂孔を避けて計測している施設が多いようです🍀

 

 

 

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下大静脈の呼吸性変動

 

下大静脈(IVC)の径から

右房圧(中心静脈圧)を推定

うっ血・脱水

右心負荷所見の情報

を得る。

 


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呼吸による変動を見る

sniff test:鼻をすするような呼吸で虚脱の有無を確認。

下大静脈の最大径が21㎜より大きい時:溢水が疑われる。(うっ血)

 

若年者やアスリートなどでは右房圧が高くなくてもIVC径が大きい場合がある。

心窩部からの描出ができない場合は、右肋間アプローチで肝を介して描出する。

アメリカ心エコー図学会での21mmなので、日本人ということで17mmをラインにしている施設もあるみたいです。

 

 

 

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下大静脈の呼吸性変動


もう少し遠位部で計測する。

 

 


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OK

 

 


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もう少し遠位部で計測する。

 

 


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変動前後の計測位置が同じ場所になっていない。

 

 


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もう少し遠位側で計測する。

 

 

 

🍀先生からの補足🍀

longで出すとホントの径を測っているか、分かりません。shortで見て楕円が円に近ければ、21mm以下でも拡張してると読むべきです。ある程度の体格差はあります。ちゃんと扁平になっていれば、少なくとも圧は高くない。
shortでの確認を。

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

 

 

右房圧を推定してから。。。

その①

三尖弁逆流速波形から得られたTRPGに、右房圧を加算することで右室収縮期圧(肺動脈圧)を推定。

推定肺動脈収縮期圧35㎜Hg以上で肺高血圧を示唆する。

(右室・右室流出路・肺動脈に狭窄がないことが条件)

 

 

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右房圧を推定してから。。。

その②

肺動脈弁逆流速波形から、左室拡張末期圧と平均肺動脈圧の推定する。

 

 

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超音波検査(エコー検査) - らぴゅたった (rapyutatta.me)

心エコー。肺動脈弁逆流(PR)。肺動脈弁逆流速波形から得られる情報。

11月10日(水)21時~

 

肺動脈弁

大動脈弁と同様に半月弁で3つの弁尖からなります🍀

 

経胸壁心エコーで、いつもチラッと見えてるのは左尖です🍀

 

という事で、今日は肺動脈弁逆流速波形の計測についてです🍀よろしくお願いします(๑•̀ •́)و✧

 

肺動脈弁逆流

健常者でもかなりの頻度で見られる。

ほとんどが二次性(僧房弁膜症・左心不全・肺性心など)弁に異常はなく弁輪拡大によるもの。

一般的には三尖が接合する中央部に見られるが、偏心性に大動脈に寄った場所から生じることもある。拡張期のみに見られる。

 

肺動脈弁自体に異常があるものとして、感染性心内膜炎・肺動脈弁狭窄症・ファロー四徴症術後・リウマチ性などが原因となる。

 

 

 

肺動脈弁逆流速波形

 

CWのボタンを押す🐣

肺動脈弁逆流にあてる🐣

肺動脈弁逆流の連続波ドプラ波形を得る🐣

 

 

PR流速波形の拡張早期の流速平均肺動脈圧を反映し、

拡張末期の流速肺動脈楔入圧(左室拡張末期圧)を反映する。

 

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肺動脈弁逆流速波形

PRのジェット方向とCWのラインが平行になってないので平行になるようにする。

 

 

 


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OK

 

 


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OK

 


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OK

 

 


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OK

 

 

 

 

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肺動脈弁逆流波形

 

肺動脈弁逆流速波形より

最大血流速度(左側の上)を計測して、推定右房圧を加え、平均肺動脈圧を推定。

23㎜Hgより高いと肺高血圧症(PH:Pulmonary Hypertension)。

20㎜Hg以上で心不全になる人がいるので20~25㎜Hgをグレーゾーンに。

 

※参考値(正常値)平均肺動脈圧:10~20㎜Hg

 

 

拡張末期肺動脈逆流速度(右側の上)を計測して、推定右房圧を加え、拡張期肺動脈圧≒左室拡張末期圧 を推定。

15㎜Hgより高いと左室拡張末期圧が上昇している。

➡前負荷がかかっている。拡張不全がある(拡張能が低下している):E/e´の上昇

10~15㎜Hgはグレーゾーン。

 

※参考値(正常値)左室拡張末期圧:5~12㎜Hg

なので15㎜Hgなら、推定右房圧をプラスしなくても上昇していることになります。

 

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左室拡張末期圧

平均左房圧【僧帽弁狭窄がなければ】

肺動脈楔入圧(せつにゅうあつ)

肺動脈拡張末期圧【肺血管抵抗が低くければ】

 

 

注)波形の拡張末期(②)近くでノッチ(凹み)を形成することがあるのでノッチ後のピークを計測する。

ノッチ(凹み)は右房収縮での右房圧上昇によるもので、肺高血圧症や心房細動では消失する。ノッチ(凹み)が見られれば有意な肺高血圧症はないと判断される。

 

🍀先生からの補足🍀

左室拡張末期圧について。

ARがあれば、ARドップラー波形の右肩の値を血圧の下の値から引いたものが真の意味のEDP(end diastolic pressure左室拡張末期圧)になる。

常に違う方法でもそのデータは正しいのか?を気にして計測するように。

🍀🍀🍀🍀🍀🍀

 

 

 

次回は左室流出路速波形から1回拍出量(SV)を測定する。です🍀

よろしくお願いします(•ᵕᴗᵕ•)

 

 

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超音波検査(エコー検査) - らぴゅたった (rapyutatta.me)

心エコー。連続波ドプラ法での三尖弁逆流の描出。TR。三尖弁閉鎖不全。

最大三尖弁逆流速度

 

10月27日(水)21時~

 

CWのボタンを選択し、三尖弁の逆流血に合わせる。

ドプラビームが平行になる断面で計測する。

ドプラビームの入射角度に大きな影響を受け、角度が大きいと圧較差を過小評価する。

 

重症度(逆流量)と速度は相関しない。

 

三尖弁逆流の成因

・器質的病変によるもの(一次性)

・機能性によるもの(二次性)・・・成因の約70%以上。

に分けられる。

 

 

🍀左室拡張機能評価に最大三尖弁逆流速度を用いる🍀

➡肺疾患を伴わない肺高血圧の存在は、左室拡張不全に伴う左房圧の上昇が考えられる。

 

🍀右室収縮期圧(肺動脈圧)の推定🍀

➡TRの最大流速を計測し、推定右房圧を加える。

(三尖弁離開では、逆流血が層流となり、最大血流速度からのTRPGは正確さに欠ける)

 

 

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三尖弁逆流 TR

呼吸性変動が見られる。

毛羽立ちを取らない(毛羽立ちは測定しない)ように注意する。

 

 

 


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角度が少し違うので、逆流に平行な角度になるよう調整する。

 

 


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Bモードの画像がわかりにくい。

波形はOK

 

 


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OK

 

 

 

 

🍀先生からの補足🍀

三尖弁逆流を観察する時。短軸で計測すると一割がた低く出る。

綺麗に4ch viewで見ていても、三尖弁の深さが13㎝くらいになると、ドップラーは乗り難い(難しい)。短軸の位置で、更に90度ばかり時計回転すると心尖部の切れた4ch viewになり、しっかり測れます。

案外見えてるようで見えてないのがTRです。方向変えて何度か測る事をお勧めします。

また、測る時、三尖弁と僧帽弁を見比べる習慣をつけてください。三尖弁は軽く心尖方向にズレてついています。その両弁の中隔尖の付着位置が15㎜以上ズレていれば、エプスタイン奇形を考えます。4ch viewは大切です。

ドップラーはBモードやMモードほど深い場所には届きません。カラーにしろ、PWやCWにしろ、せいぜい8㎝位迄しか届きません。また、3㎝より浅い場所も上手く描出しません。ドップラーは3㎝〜8㎝の深さで測る事を心がけて。

また、右房(RA)が1番よく見えるのも4ch viewです。右房もよく見てね。

 

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

 

 

 

先生質問\ハーイ/。

こんな三尖弁を見かけたら、何を考えたらいいですか??

youtu.be

三尖弁の中隔尖が短く、TRが心房中隔にあたってます。

他に、先天性異常がないか確認する。

右心系に負荷がかかりヘフペフになることが考えられるので、循環器や先天性心疾患を扱う病院でみてもらうように。

 

※左室駆出率(EF)の低下した心不全:ヘフレフ

(HFrEF=heart failure with reduced ejection fraction)

※左室駆出率(EF)が維持されている心不全を:ヘフペフ

(HFpEF=heart failure with preserved ejection function)といいます。

 

 

次回は11月10日(水)21時~

IVCと肺動脈弁逆流の画像になります。

よろしくお願いします(•ᵕᴗᵕ•)

 

勉強会で使用している教科書はこちら⇩


 

 

 

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超音波検査(エコー検査) - らぴゅたった (rapyutatta.me)

 

心エコー。組織ドプラ法(tissue Doppler imaging)。e´(eプライム)。E/e´。

組織ドプラ法(tissue Doppler imaging):TDI

 

E波・A波と一緒に覚えていきたいのはこちらっ(*´∀`*)ノ。組織ドプラ法。

心筋に色をつけて測定するあれです。笑

では、よろしくお願いします(•ᵕᴗᵕ•)

 

10月27日(水)21時~

 

 

 

 

パルスドプラ法を心臓組織に応用したもの。

僧房弁輪運動速波形を用い、拡張能の評価や予後の推定が可能

 

組織ドプラ法モード(TDI)に切り替え、サンプルボリュームの幅を10㎜程度に広めに設定し、僧房弁輪部に置いて波形を記録する。

僧房弁輪部の動きとパルスドプラ法のビーム方向が平行でないとe´は過小評価となる。

毛羽立ちやスパイクがないようにフィルタとゲインを低めに設定する。

 

心筋壁からの波形は主として3峰性で、収縮期波(Sw)・拡張早期波(Ew)・心房収縮期波(Aw)から構成されている。

他に等容収縮期(ICTw)等容拡張期(IRTw)の波形も観察される。

 

心室が収縮しているときを収縮期、弛緩しているときを拡張期といいます。)

(収縮期は等容性収縮期駆出期、拡張期は等容性弛緩期充満期に分けられます。)

 

 

 

 

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組織ドプラ法 中隔

 

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組織ドプラ法 側壁

e´の前に少し小さな波形がでるので、それと間違えないようにすること。
側壁の方が波形が大きくなる(中隔は右心により動きが抑えられるため)。

中隔と側壁、両方計測して平均する。

二腔像にすると下壁と前壁側も計測できる。

 

 


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OK。もう少し弁輪部にサンプルボリュームを置くようにする。


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OK。側壁はドプラガイドと角度に差があるので少し画像を調整する。

 

 


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OK。側壁は弁にサンプルボリュームがあるのでもう少し外側へ。

 


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Bモードで組織以外にも色がついているので、ゲインを下げる。

側壁側は角度がついているので画像を調整する。

 

 

 

 

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

 

先生質問\ハーイ/

e’の前にでてくる小さな波形は何を意味してるのですか(・・?)

 

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

 

e'の前にあるのは等容拡張期。a'の後にあるのは等容収縮期です。

s波は弁輪部が、心尖部方向へ動く様子を反映している。

つまり、良く見れば心臓の予備能を知ることが出来る。

ある意味、心不全の心臓の何が知りたいのか?それは予備能が保たれているのか否か?ですね。


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普通それはTei indexで測りますが、正常値の幅が狭すぎる。効率よく等容拡張期や収縮期を測れれば、みんなそれに飛びつくと思います。

心拍が120を超えると等容拡張期は無くなる。詰まりは予備能がなくなり、だんだんと心不全に傾いて行く。

皆さん、心予備能を少し調べてごらん..

実はAo、LAをMモードで切る時,、心拍数の高い人は難なく記録出来るが、健全な人は弁輪が上へ動いて切り難いやろ?皆んな等容拡張期を見ようとしてるんよ。

 

 

左室心筋は心外膜側と心内膜側の斜走筋、中間層の輪状筋の3層構造を呈する。左室短軸断面での左室内径短縮率は主に輪状筋の機能を評価している。一方、多くの心筋病変では心内膜下に病変が出現し、その後、心外膜側に及ぶ。この考えに従うと、心内膜側の長軸機能解析は「左室機能障害の早期発見」に有用である。

弁輪部は収縮期に心尖部へ移動し(s′波)、拡張期には拡張早期と心房収縮期に2峰性に心基部側へ移動する(e′波およびa′波)。

a′波とs′波の間には2相性の小さな波形を認め、等容性収縮期(isovolumic contraction time: ICT)に相当する。

また、s′波とe′波の間にも2相性の波形を認め、等容性拡張期(isovolumic relaxation time: IRT)にあたる。

 

TDIによる心機能分析には以下のような多くの利点がある。

i)e′波は前負荷の影響を比較的受けにくい。
ii)断層画面が不鮮明な症例でも良好な分析ができる。
iii)時間分解能が3~4 msecと極めて良い。
iv)左室内径短縮率では得られない長軸方向の心機能を評価できる。
v)通常の心エコー装置で解析可能である。

 

欠点としては
i)角度依存性である。
ii)心臓全体の動きや周辺組織の収縮の影響を受ける(tethering)。
iii)局所壁運動異常がある場合には心室全体の心機能を反映しない。

などが挙げられる

 

★解析に適した記録を得るためのコツ

まず弁輪の運動方向とドプラカーソルはできるだけ平行に設定する。

また、良好なドプラ波形を検出できるように、サンプルボリューム幅はやや広めとする。

ドプラゲインは可及的に下げスペクトル包絡線(envelop)が認識できる記録が望ましい。

ゲインを上げすぎるとノイズを拾い運動速度を過大評価するばかりでなく、時相解析が困難になるからである。

最後に、低速の運動速度を記録するためドプラフィルターは可及的に低く設定する。

 

Tei indexは収縮能低下も拡張能低下も反映する総合的な心機能の指標である。

正常値は右室では 0.28±0.04 であり、左室では 0.38±0.04 である。右室では 0.40 以上が、左室で は 0.45 以上が異常である。

 

 


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等容性収縮期
心室の収縮が始まる段階。心室内圧は上昇し、すべての弁は閉じる。血液に動きはない。

等容性拡張期 
心室筋が弛緩して拡張が始まる段階。血液が動脈へと流れ出た後、心室圧は低下する。心室圧が動脈圧を下回ると、すべての弁が閉じる。心房には血液が流れ込み始める。

 

等容拡張(弛緩)時間は左室の拡張機能障害の程度を測る指標となる。

等容弛緩時間の延長は心筋の拡張能の低下を表す。正常範囲はおよそ70±12ミリ秒で、40代以上の年齢では更に10ミリ秒程度長くなる。左室拡張能に障害がある場合は、時として110ミリ秒を超えるまで延長することがある。

但し左室流入血流の拘束型流入波形(restrictive ventricular filling)を認める場合は、等容弛緩時間は通常60ミリ秒以下である。

 

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ありがとうございました(*´∀`人)

次回は11月10日(水)21時~

下大静脈とPRの画像をおねがいします(•ᵕᴗᵕ•)

 

 

 

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心臓超音波テキスト 第3版

 

 

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